糖尿病の再発予防について

【医師監修】糖尿病の再発防止として心がけたいポイントとは?

Supervisionどこまでできる?糖尿病再発を予防しながら
ストレスのない生活をおくるには?

監修医師

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上野内科・糖尿病内科クリニック
院長

上野 尚彦先生

食事療法や運動療法で糖尿病がある程度回復すると、以前の生活に戻ってしまい、再発してしまうケースが少なくありません。ここでは、再発を避けるために心がけたい生活での注意点と、ストレスなく快適に過ごすポイントを解説していきます。

糖尿病は完治できる?

一度糖尿病に罹患してしまうと、完治させることは不可能です。しかし、初期の段階で適切な処置を行い、寛解状態(症状が落ち着いている状態)にすることができれば、薬物などに頼らなくても健康状態を維持していくことができます。

しかし、寛解状態になったからといって、元通りの生活に戻ってしまっては意味がありません。常に血糖値コントロールを意識した生活を心がけないと、糖尿病はすぐに再発してしまうのです。一度発症した糖尿病とは一生付き合っていくものと認識し、健康的な生活を続けるようにしましょう。

糖尿病を再発させない付き合い方

糖尿病を改善する基本は、食事療法と運動療法の2つ。これによってインスリンの働きを改善し、血糖値を適切にコントロールしていければ、症状は徐々に落ち着いていきます。とくに重要なのは食事療法で、必要以上のカロリーをとらない・血糖値を上昇させる食品を避ける・食事の栄養バランスを整える、といった対策が必要です。

しかし、忙しい現役世代は社会的な付き合いが多いもの(ランチ・飲み会・取引先との食事・出張中の外食など)。こういうとき、再発防止のための食事はどうしたらいいのでしょうか?糖尿病だからと、すべてを断るわけにもいきません。

実は、糖尿病の再発防止のヒケツは「食べない」のではなく、「食べすぎない」「うまく食べ分ける」のがポイント。いざというときに迷ってしまわないよう、いろいろな場面でのメニューの選び方・食べ方を心得ておきましょう。

糖尿病でもここまで出来る!
外食・飲み会の上手な付き合い方

仕事に従事している世代にとって、外食や飲み会などを完全に避けるのは難しいもの。油断をすると糖尿病が再発してしまうので悩ましいところですが、再発を避けてお付き合いを楽しむ方法はいくらでもあります。

以下に、外食・イベントごとに食事のポイントをまとめてみましたので、ぜひチェックしてみてください。

外食で気をつけたいメニュー

  • <食べても大丈夫な食べ物>
    ・焼き魚定食
    ・生姜焼き定食
    ・お刺身定食
    ・鍋料理
  • <食べないほうが良い食べ物>
    ・牛丼(単品)
    ・ハンバーガーとフライドポテト
    ・ラーメンとチャーハン
    ・天ぷらうどん
    ・カツカレー
  • <まとめ>
    外食のメニューは、基本的に脂肪分・塩分・糖分・カロリーが高め。とくに一品料理(どんぶり・麺類など)はその傾向が強くなるため、できるだけ避けた方が良いでしょう。どうしても食べなければならない場合は、量を減らしてもらう・野菜が多いメニューを選ぶ・サラダや小鉢を足す、といった工夫をすると◎。サラダや小鉢は食前に食べると、食物繊維の働きで血糖値の上昇を抑えることができます。
    糖尿病の再発を防ぐために選びたいメニューは、何といっても定食。品数が多く、栄養バランスもとれているものが多いため、食事療法としては最適です。野菜中心の鍋料理もおすすめですね。ただし、ごはんをお代わりしたり、早食いにならないよう気をつけて。

イベント別、外食・飲み会で気をつけたい事

  • 結婚式

    結婚式で出されるフランス料理のフルコースは、平均カロリーが1,600kcal前後。前菜・スープ・メインとゆっくり提供されるため、少量ずつでも満足感はありますが、カロリーが高いので食べすぎは厳禁です。とくに脂身の多いステーキ・フォアグラ・テリーヌといった料理は高カロリーなので、少し残すことを心がけましょう(マナー違反ではありません)。お代わり自由なパンも、食べすぎないように。
    和食の場合は懐石料理が多く、油ものが少ないためカロリーは控えめ。ただし、糖質と塩分には気をつける必要があります。ごはんは少なめにしてもらう、汁物は具だけ食べる、といった対策をとりましょう。
    そして、結婚式といえばお酒です。1~2杯くらいでしたらお付き合いしても良いですが、おめでたい場だからと調子に乗るのはNG。飲むものも、焼酎・ワイン・ウイスキーといった、糖質の少ない種類を選びましょう。
  • お盆・法事・お葬式など

    お盆・法事・お葬式などで出されることの多い「精進料理」。野菜・海藻・果物・豆類などをメインとした料理で、肉・魚を使っていないのが特徴。基本的に味付けも薄めなので、あまり神経質にならなくても良いでしょう。とくに、良質なたんぱく質をたっぷり含む豆腐料理はおすすめ(湯葉・高野豆腐など)。ただし、天ぷらの衣や、煮物・汁物の塩分には気をつけましょう。
    こういった場でもお酒はつきものですが、お付き合いは少量に。ただし、日本酒・ビールは糖質が高いので要注意です。「今日くらいはいいだろう」という油断が糖尿病再発につながるため、気を引き締めて。
  • 歓送迎会

    異動・転勤・退職などをキッカケに開かれる歓送迎会。現役世代はこうした場に顔を出すことも大切であるため、そうそう断れないもの。こういった場合は、メニューをチェックして食べ分けることが大切です。
    鍋料理の場合は野菜をメインに食べ、締めのうどん・雑炊などは遠慮するようにしましょう。焼き鳥の場合は、皮・手羽先などの脂身が多い部分を避ければOKです。塩かタレを選べる場合は、迷わず塩を選択してください。唐揚げなどの揚げ物は、できるだけ衣と脂身を残して食べます。
    また、どうしても野菜が少なくなりがちなので、追加料金を払ってでもサラダを注文した方がいいでしょう。お酒は基本的にお断りするか、焼酎・ワインなどを2杯くらいまでに留めて。
  • 結婚記念日や子どもの誕生日など

    結婚記念日に外食へ行くご夫婦も多いと思いますが、選ぶお店は一品料理のお店や料亭、お寿司屋さんなどがよいでしょう。一品料理ならメニューを自由に選べますし、お寿司屋さんならお刺身を出してもらえばOK。パートナーの方の理解もあると思うので、このあたりはスムーズに対応できるのではないでしょうか。
    子どもの誕生日でよく並ぶメニューといえば、フライドチキン・ピラフ・ポテトサラダ・ケーキなど。糖質と油分の多いメニューばかりですが、これらには手を付けないのが正解。ちょっと寂しいかもしれませんが、別メニューを用意して一緒にお祝いするようにしましょう。
    ただ、個人のイベントでは食事内容をコントロールできますが、人から誘われたお祝い事などでは対応が難しくなります。そういった場合は、できるだけ野菜から食べるようにする、噛む回数を増やして食べすぎないようにするなどの対応を取りましょう。

月別イベントで気をつけるべきところ

  • 歓送迎会
    年度はじめの4月は、歓送迎会が重なる時期です。付き合いもあるので全部を断るわけにはいきませんが、関連性が薄い人の場合はお断りする勇気を持ちましょう。飲み会の場では、揚げ物・フライドポテト・ピザ・米料理などはできるだけ避け、野菜サラダ・豆腐・刺身などを食べるようにしましょう。サラダにはドレッシングをかけず、レモンと少量の塩で味付けをすると◎。
  • ゴールデンウイークの外出や旅行
    5月の大型連休であるゴールデンウイーク。家族や友人と旅行に出かけるという人も多いでしょう。旅行につきものなのが外食ですが、基本的なルールをしっかり守ることが大切です。駅弁などのお弁当を購入する場合は、ごはんの少ない種類をチョイス。お店で食事をするときも、できるだけ糖質・脂質の少ないメニューを選ぶようにしましょう。「たった数日の旅行だから」と、気を緩めないことが重要です。
  • プールや海水浴
    7月に入り、気温が高くなるとプールや海水浴に出かける人も多いでしょう。食事はフードコートや海の家でとることになると思いますが、ここでのメニューは、焼きそば・カレー・ラーメンなど、糖尿病の食事としては厳しいものが多め。栄養バランスやカロリーを考えたお弁当や、野菜の多いサンドイッチなどを持参すると良いでしょう。
  • 夏祭りや花火大会
    夏祭りや花火大会といえば、やはり屋台メニューが定番。しかし、タコ焼き・お好み焼き・アメリカンドッグといった定番メニューは避けた方が賢明です。とくに、ジャガバターは糖質とカロリーが非常に高いのでNGです。選ぶべきは、焼きトウモロコシ・焼き鳥・冷やしキュウリ・イカ焼きなど。1つのメニューを数人でシェアするのも良いでしょう。
  • シルバーウィークでの外出
    年によって違いますが、9月の中旬~下旬にかけて連休が重なることがあります。このシルバーウィークを利用して、旅行や外出へ出かける方も多いでしょう。暑さも落ち着いたこの時期は、まさに食欲の秋。食欲がアップするため、誘惑に負けて食べすぎないよう気をつけたいものです。気持ちが折れそうなときは、ノンシュガーのガムを噛んだり、お茶を飲んだりすると◎。
  • 運動会
    子どもの運動会や、会社での運動会など、10月はスポーツイベントが多くなります。そこで欠かせないのが、お弁当。身体を動かしたあとは食欲が高まるため、ドカ食いをしないよう気をつけましょう。お弁当は自分専用のものを用意し、野菜から食べて食欲を落ち着けるのが正解。周りの人から「これもどうぞ」などと勧められることもあるでしょうが、メニューによってはお断りを。
  • ボジョレーヌーボーの解禁
    お酒が好きな糖尿病の方にとって、ボジョレーヌーボーの解禁日は気になるところではないでしょうか。基本的にお酒は控えるべきですが、ポリフェノールを含むワインは糖尿病のリスクを軽減できるとも言われています。カロリーは高めですが糖質は少ないため、適量(ワイングラス1~2杯)であれば飲んでもOK。おつまみは、塩気や油分の少ないナッツ類やサラダがおすすめです。
  • クリスマスや忘年会
    12月のイベントといえば、クリスマスですね。家族や仲の良い友人と、パーティーを開く方も多いでしょう。メニューとして避けたいのは、フライドチキンやクリスマスケーキ。食べてもOKなのは、サラダ・オードブル(チーズやマリネなど)・スープ類。フライドチキンは衣を取り、脂身を避ければ食べても大丈夫でしょう。また、クリスマスが終わるとすぐに忘年会という方もいると思います。高カロリー食が続く可能性があるため、炭水化物を避ける・お酒を飲まないといった対応を心がけて。
  • お正月・新年会
    1年のうちで、年末年始は血糖コントロールが乱れやすい時期。お正月や新年会でごちそうが並ぶ機会も多いですが、食事療法の内容は変わりません。おせち料理は塩気・甘味が多いため、あまり手を付けないようにするのが正解。お餅は炭水化物なので1個くらいに留め、野菜たっぷりのお雑煮にしていただきましょう。お正月明けに新年会がある場合は、アルコールをキッパリ断るくらいの気持ちで。
  • バレンタインデー
    好きな人や親しい人にチョコを贈るバレンタインデー。贈る側なら問題ないですが、もらう側となると問題発生。つい全部食べたくなってしまうかもしれませんが、味見程度に留めましょう。とくに、バレンタインの定番であるトリュフショコラケーキなどは糖質が高いため、注意が必要。ひと口味見をして、あとは家族などに食べてもらうといいですね。
  • 送別会
    人事異動などが多くなる3月は、送別会の機会が多くなります。お世話になった方にお別れを言う場ですから、できるだけ参加したいものです。送別会では、飲み会で避けるべき揚げ物・ごはん類などを避け、お酒は飲まないか控えめにすればOK。お酒は血糖値が上がりにくい、焼酎やウイスキーを選ぶと良いでしょう。一品料理を選べるのなら、サラダや酢の物などをオーダーして。
    
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