糖尿病対策に、インスリンの働きを高めるクロムの効果

糖尿病対策!インスリンの働きを高めて血糖値を下げるクロムの効果

インスリンの働きを良くして血糖値を下げるクロム

有効成分のクロムは、必須ミネラルのひとつ。体内では合成できない成分のため、食品などから摂取する必要があります。
このクロムには、糖尿病によって低下しているインスリンの働きを高め、血糖値を下げる効果があるとされています。

クロムとはどんな物質?

クロムが発見されたのは、18世紀。シベリアで初めて発見された元素で、自然界に存在するものは「3価クロム」と呼ばれるものです。私たちが食品から摂取できるクロムは、この3価クロムがほとんどです。
一方で、人工的に作られたクロムは「6価クロム」と呼ばれ、強い酸化作用や毒性があり、人体には悪影響を及ぼします。
クロムは私たちの体に必須の微量元素のひとつです。1970年から1992年にかけての日本人一人当たりのクロム摂取量は116〜118μgで、様々な食品から少しずつ摂取していると言われています。

国民栄養調査の結果を基に,無機質の荷重平均成分表を用いてクロム,マンガン,セレンの国民一人一日あたりの摂取量を計算した。1992年では,クロム摂取量は,118μgであった。主な摂取源は,穀類,魚介類,肉類であった。

出典:国民栄養調査に基づく無機質(クロム,マンガン,セレン)の摂取状況に関する研究』昭和女子大学大学院生活機構研究科紀要,5,1995

私たちの体の中で、クロムは主に小腸から吸収されます。3価クロムは、体内への吸収率が低いのが特徴で、0.5〜2%ほど。体内にある量は少ないものの、インスリン作用や糖質代謝、コレステロール代謝、たんぱく質代謝など様々な体の作用に関わっています。[1]

クロムが糖尿病に及ぼす影響

クロムは血糖値を正常に保ち、中性脂肪やコレステロール値を下げるために必要なミネラルとして糖尿病対策に有効な成分と言われています。

その理由としてまず挙げられるのが、クロムの持つ、糖代謝異常の改善作用です。2型糖尿病の方に、三価クロムを1日あたり200〜1,000μg投与した実験では、血糖値や耐糖能など、糖尿病に特有の症状の改善が見られたそうです。また、糖尿病患者の方は尿中にクロムを排泄する量が多いことなどもわかっています。こうした理由からクロムは糖の代謝には欠かせないミネラルと考えられているのです。

三価クロムに耐糖能改善効果があるというSchwarzとMertzの主張を背景として,糖代謝異常を起こした症例にクロムを投与する試みが開始された。その結果、200〜1,000μg/dayの三価クロム化合物の投与が2型糖尿病の諸症状(血糖値、耐糖能など)を改善することが明らかとなった。特に、クロム非添加高カロリー輸液の長期投与中に発生した糖代謝異常の症例では、クロム出納が負であり、血中及び毛髪クロム濃度が健常者に比較して明らかに低下していた。さらに、糖尿病患者では、クロムの尿中排泄量が増加していることも示された。

出典:『クロムはヒトの栄養にとって必須の微量元素だろうか?』吉田,2012

また、クロムにはインスリン分泌機能を改善する効果もあるという研究も報告されています。そのメカニズムは明らかになっていませんが、クロムが体内で不足すると、インスリン感受性の低下や、体重減少や角膜障害などが起こることも報告されています。

糖尿病に対して治療効果がある有効成分であるクロム含有耐糖因子はビール酵母や動物肝臓などに含まれているクロムを含有する低分子の有機物であるが構造は未定である.糖尿病患者に投与すると耐糖能とインスリン分泌の改善が認められる機構はインスリンに関係したものと考えられているが,それ自体にはインスリン作用はない.

出典:『代替医療としての「ビタミン・ミネラル」』糸川, 日本補完代替医療学会誌,2004

クロムは血糖値の上昇を防ぐミネラル

糖尿病の原因となる血糖値の上昇を抑えるために、有効な成分としてクロムが挙げられます。クロムは、本来私たちの体に存在する物質です。

食事から摂取した糖質は、体内でブドウ糖に分解され、血液中へと移行。そのブドウ糖は全身の細胞に取り込まれ、エネルギーとして使われることになります。

この血液中から細胞へブドウ糖を取り込む時に活躍するのがインスリン。そして、インスリンの機能を良くする働きを持つのがクロムなのです。

糖尿病の場合、インスリンの不足、もしくはインスリンの働きが悪くなることが原因で、細胞がブドウ糖をうまく取り込めなくなり、血糖値が上昇します。

実は、糖尿病患者のクロム量を調べると、一般の人の半分程度しかないという調査結果も出ています。つまり、糖尿病の原因のひとつはクロム不足にあるのかもしれません。

インスリンとクロムの関係について

血糖値を下げるために必須となるインスリンですが、いくらインスリンが多く分泌されたとしても実はあまり意味がありません。血糖値を下げるにはインスリンと同じくらいインスリン受容体が必要だからです。

インスリン受容体とはその名の通り、インスリンを受け入れるドアのようなもの。インスリンはそこをくぐってしか細胞へブドウ糖を届けられません。 クロムはこのドアのかぎとなる存在です。クロムがなければ、インスリンはドアのカギをあけることができません。そのため、クロムの存在は血糖値を下げるために大変重要な役割を持っていると言えます。

また、クロムはインスリン受容体を増やす働きも持っています。 クロムが増えればインスリン受容体が増えて、血糖をエネルギーとして細胞に渡すこともスムーズになるため、血糖値を調整する手助けをしてくれるのです。

クロムの健康面へのリスク

クロムは多く摂取しすぎても健康面に被害が出ることはありません。 糖尿病患者がクロムを摂取することで、糖尿病の症状が軽くなったという事例は報告されていますが、非糖尿病患者がクロムの摂取で健康を害したという報告はなく、多く摂取しても問題ないとされています。

ただし、薬と併用すると相互作用が生まれることも。例えば、喘息や肺炎の治療に使用されている副腎皮質ステロイドと服用すると、胃の酸性度が変化しクロムが吸収されにくくなる可能性があります。クロムを摂取する場合は、今服用している薬との関係性を調べる必要がありそうです。

クロムの健康面へのリスク

クロムは多く摂取しすぎても健康面に被害が出ることはありません。 糖尿病患者がクロムを摂取することで、糖尿病の症状が軽くなったという事例は報告されていますが、非糖尿病患者がクロムの摂取で健康を害したという報告はなく、多く摂取しても問題ないとされています。

ただし、薬と併用すると相互作用が生まれることも。例えば、喘息や肺炎の治療に使用されている副腎皮質ステロイドと服用すると、胃の酸性度が変化しクロムが吸収されにくくなる可能性があります。クロムを摂取する場合は、今服用している薬との関係性を調べる必要がありそうです。

クロム欠乏が起きるとき

通常の生活をしていてクロムが足りなくなることはほとんどありません。普通の食事から十分にクロムを摂取することができます。そのため、クロム欠乏症の動物に関する報告はいくつかありますが、人におけるクロム欠乏症の報告はほとんどありません。

しかし、糖尿病の症状が出ている人を調べてみると、クロムが一般的な人よりも足りないとされていました。糖尿病の徴候が出ている患者の静脈栄養にクロムを追加すると、神経障害や体重減少といった糖尿病の症状が軽減されたと言われています。 それ以来、静脈栄養にはクロムが常に追加されるようになりました。 クロム欠乏症といえる状態になることは少ないですが、糖尿病の患者は慢性的にクロムが少ない状態といえそうです。

クロムの補給が必要な人

糖尿病の徴候がある人。 と言いたいところですが、実はこれまでの研究で、クロムの補給が糖尿病の治療に有用と結論に至ったものはありません。あくまで、改善につながる可能性があるかもしれないと関心が集まっているだけです。そのため、「クロムの補給が必要な人はこんな人です」と明言はできません。

クロムは加齢と共に減っていく

クロムは年齢を重ねるごとに減少するという報告があります。高齢者は20代よりもクロムの欠乏になる恐れが高いため、糖尿病になりやすいといえるのかもしれません。

クロムの平均値

クロムが糖尿病に有用と決まってはいませんが、動物実験や糖尿病患者の傾向から、クロムが少ないとインスリンの効きが悪くなるかもしれないと予想できます。 であれば、知りたいのは自身のクロムの量はどのくらいなのか。一般的な数値よりも少なければ、摂取する必要があるのではと考えますよね。ただ、残念なことにクロムの正確な分析値は存在しません。

クロムを取り入れる方法

クロムはミネラルの中でも、加齢とともに体内に存在する量が減少していきます。そのため、加齢に伴うクロム不足を解消・予防するためには、食べ物からクロムを補給するよう心がけることが大切です。

クロムは雑穀や野菜、肉、魚などに多く含まれています。例えばきざみ昆布には、100gあたり33μg、キクラゲには100gあたり27μg、アオサには100gあたり160μgと豊富にクロムが含まれています。[1]

クロムの摂取適正量

クロムは食べ物から摂取する限り毒性は極めて低く、適正摂取量より多くても、短期間であれば安全と言われています。国立健康・栄養研究所が運営している『 「健康食品」の安全性・有効性情報』サイトでは、クロムの補給は欠乏症がなければ、栄養学的な影響はないと記述されています。
クロムの食事中の摂取基準量は、成人の場合1日あたり10μgが目安です。[2]

ただし、サプリでクロムを補給した人が、過剰摂取で腎機能障害などを生じた事例も報告されています。クロムの過剰摂取が長期間にわたれば、嘔吐下痢、腹痛、肝機能障害、中枢神経障害、造血障害などのリスクもあることが指摘されています。人工的に作られる6価クロムは毒性が高く、がんや皮膚炎を引き起こすこともありえますので注意が必要です。クロムをサプリなどで補給する際には、必ず用法・用量を守るように心がけましょう。

吸収されにくいクロムはサプリで補おう

クロムはさまざまな食品に含まれていますが、問題なのは非常に吸収されにくい成分だということ。普通にクロムを多く含む食品を食べていても、必要な分のクロムは補えません。「ではサプリならいいのでは?」と思うかもしれませんが、実はサプリにも同じことが言えるのです。

ただ、長年の研究からクロムとほかのものを組み合わせて一緒に摂取することにより、吸収力を高めたサプリメントも販売されています。そのようなサプリなら、食事療法と合わせて上手に取り入れていきたいですね。

クロム以外に糖尿病に効果のある成分とは?

クロムは血糖値の上昇を防ぐと言われているミネラルですが、吸収されにくい 成分でもあるため、なかなか普段の食事に取り入れるのは難しいと考える方もいらっしゃると思います。 そんな方は、「酵素」や「サポニン」といった他の糖尿病改善の為に研究されている成分を取り入れることも 検討してみてはいかがでしょうか?これらの成分も、糖尿病の改善に十分期待ができるため、普段の生活に取り入れることをおススメします。

糖尿病改善のために研究されている成分を詳しく知る

当サイトのご利用にあたって

当サイト(糖尿病の末路 初期症状から末期症状まで、危険な合併症の解説と改善・対策・予防ガイド)は、私たち「糖尿病を食から考える会」が運営する、糖尿病に関する情報をわかりやすくまとめたサイトです。当サイトには、できるかぎり最新の、信頼性の高い情報を掲載する心掛けております。ただし、その内容の正確性・安全性について完全に保証できるものではありません。掲載情報の活用については自己責任でお願いいたします。万が一、当サイトの情報によって何らかの損害が発生した場合には、各種専門機関にご相談ください。

糖尿病を食から考える会について