ヘモグロビンA1c・血糖値を下げる糖尿病に有効な成分

高血糖・糖尿病予防の効果が期待できるイヌリンとは?

血糖値を下げる有効成分イヌリン

腸内環境の改善や、血中の中性脂肪値を下げるなど私たちの健康に役立つ働きをしてくれるイヌリンは、菊芋やチコリ、ゴボウなどの根に多く含まれている多糖と呼ばれる種類の成分です。甘味料にも使われていて、小麦や玉ねぎなど身近な食品にも存在する成分。ここでは、イヌリンが体に及ぼす作用の仕組みや、イヌリン効果を実証した研究の紹介なども交えながら、イヌリンを上手に味方につける方法を学びましょう。

イヌリンとは

自然界に存在するイヌリンは、小麦や大麦、玉ねぎ、にんにく、ゴボウなどスーパーでも売られている身近な食品に含まれている成分です。下記の文献にある通り、消化されにくい水溶性の食物繊維として、腸内環境の改善にも役立つことで知られていますが、同時に食後の血糖値を抑えるなど糖尿病予防にも効果があることもわかっています。

イヌリンはヒトの消化管で直接的に代謝されず,低エネルギーの食品素材としての利用が可能である.また,腸内のBifidobacteriaの増殖を選択的に促進させ,排便量の増加だけではなく,より健全な腸内菌叢を形成する.さらにカルシウムやマグネシウムの吸収を良くし,骨への保健効果や血中の中性脂肪を低減させる効果などが知られている.イヌリンは,食物繊維としての機能のほかに食品加工用素材としての機能もあるため,その両面から興味をもたれている.特にイヌリンは高濃度で水に溶解させると脂肪に似た食感を有する白色のゲルになる性質があり,油脂含有食品における脂肪摂取の制限された食品用途のための脂肪代替素材として期待がもたれている

出典:『酵素法により製造されたイヌリンと低脂肪食品への利用』和田・田中,化学と生物,51(6),2013

イヌリンが糖尿病予防・改善に良い理由

それでは具体的に、イヌリンが私たちの体にどう作用し、糖尿病予防に役立ってくれているのかを見ていきましょう。

食後の血糖値上昇を抑制

まず、イヌリンが糖尿病予防として活躍してくれるのが、食後の働きです。イヌリンは水溶性で消化管から吸収されにくい食物繊維のため、食事で摂取した際にも胃などで消化されずに大腸に直接届きます。この際に、水に溶けてゲル化し、他の食べ物が胃から小腸に移動するスピードを緩めてくれます。その結果、血糖値が急激に上がりにくくなり、糖尿病を予防できるとされています。

実際、イヌリンを多く含む食品は、糖尿病患者の方の食事にも療養食として古くから用いられてきました。

ラットにおける投与効果研究から血清トリグリセリドやコレステロールの減少効果を明らかにした参考文献(24~27) は多く,ヒト試験においてもイヌリンに調節機能があることが示されている.フジFFも動物実験において,血清および肝臓トリグリセリドの低減,肝臓脂肪の低減について効果を確認しており(28),Jacksonら(29)は血中脂質濃度のやや高い中年齢域の被験者54名を用い,10 g/dayでイヌリンを8週間と長期にわたって摂取させた結果,血清トリグリセリドについてはコントロールに比べて19%の低減効果が見られたことを報告している

出典:『薬用食物の糖尿病予防成分』化学と生物,40(3),2002

イヌリンを効率良く摂取する方法

イヌリンが豊富に含まれている食べ物は、菊芋や、チコリの根などが代表的です。普段食事に用いやすい食材としてはゴボウやニラなどがありますから、ぜひ積極的にメニューに取り入れてみましょう。また、小麦ふすまに多く含まれるブラント、菊芋に豊富に含まれるイヌリンを配合した糖尿病の方のためのパンなども低糖質食品として手に入るようになっています。[2]

普段の食生活に無理なく取り入れたい場合には、こうしたイヌリン配合食品などを上手に活用してみてもいいでしょう。

イヌリンの安全性について

国立健康・栄養研究所が公開しているイヌリンに関する健康情報[1]には、経口摂取で安全性が示唆されているイヌリンの1日当たりの摂取量は8〜14gとされています。ただし、妊婦や授乳婦に対しては、安全性に対する情報が今のところ見当たらないため、使用を避けたほうがいいと言われています。

また、イヌリンを摂取した後に腸内ガスがたまり不快感を感じるなどの症状が報告されています。こうした症状は摂取量が多くなった場合に多く報告されていることから、イヌリンはいくら体にいいからといってたくさん摂ればいいわけではないことがわかります。サプリメントなどを活用する際には、きちんと用法・用量を守るようにしましょう。

イヌリン以外に糖尿病に効果のある成分とは?

上記ではイヌリンの糖尿病改善効果を紹介していますが、改善の為に研究されている成分はイヌリンだけではありません。「酵素」や「ナットウキナーゼ」といった様々な成分が、糖尿病に効果があるのではと研究されています。当サイトでは、そんな「酵素」や「ナットウキナーゼ」といった成分を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

糖尿病改善のために研究されている成分を詳しく知る

参考文献

[1]参考:国立健康・栄養研究所HP『「健康食品」の素材情報データベース|イヌリン』(2018年1月30日確認)

[2]参考:糖尿病リソースガイドHP『食事療法・運動療法・生活サポート|低糖質食品』(2018年1月30日確認)

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