ミネラルと糖尿病との関係

糖尿病予防に大切なミネラル

糖代謝にも深く関わるミネラル

ミネラルとは100種類以上の栄養素を持つ無機物。そんなミネラルについてや糖尿病への効果を解説していきます。

100種類以上の栄養素を持つミネラルとは?

ミネラルとは、カルシウムや亜鉛、マグネシウム等100種類以上もある栄養素です。無機物でもあるミネラルは、人体の4%ほどしか占めていないものの、体の代謝や体液バランスを正常に保つための必要な栄養素として私たちの健康に深く関わっています。

体液はホメオスタシス機構により常に一定のミネラルバランスを保っている.体液として の水成分,体液バランスの基本としてのミネラル栄養,栄養素の代謝調節因子としてのミネラル,ビタミン栄養は,非常に微量で,大きな働きを担っている.因に,ほ乳動物の栄 養素として ,現在必須性が証明されているミネラルは,ナトリウム(Na)カリウム(K),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),リン(P),ケイ素(Si),バナジウム(V),クロム(Cr),マンガン(Mn),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni),銅(Cu),亜鉛(Zn),砒素(As),セレン(Se),モリブデン(Mo),錫(Sn),ヨウ素(I),鉛(Pb),フッ素(F),ルビジウム(Rb)の22種類〜中略〜がある

出典:「ミネラル栄養と飲料水」ビタミン,80(2),2006

現代人はファーストフードなどの普及に伴う食生活の変化によって気づかないうちにミネラル不足に陥っていると言われています。ミネラルは体内で生成出来ない成分のため、きちんと食品から摂取しないとミネラル不足に陥ります。

糖尿病予防においてもマグネシウムや亜鉛、カリウム、リン、マンガン、クロムなどはとても大切なミネラルです。それぞれのミネラルの種類ごとにどんな風に糖尿病と関わっているのか、どんな食品に多く含まれているのかを見ていきましょう。

例えばマンガンやクロム、リン、カリウム、亜鉛は、インスリンによる糖代謝を助ける働きを持つミネラルです。特に、マグネシウムや亜鉛はインスリンの働きを良くしてくれるミネラルです。また、カリウムには血糖値を下げる作用などもあると言われています。

亜鉛

亜鉛の働き

インスリンにも含まれている亜鉛は、タンパク質の代謝に関係するミネラルです。また、皮膚や粘膜を健康に保ってくれたり、味覚を正常に保ったりする上でもとても大切な栄養素です。人の体内に亜鉛は約2g含まれており、その多くが細胞内に存在。新陳代謝をサポートする役割を果たしています。

亜鉛が不足するとどうなる?

亜鉛が体内で不足してしまうと、骨粗鬆量や味覚異常など様々な病気が誘発されます。糖尿病の方の血清亜鉛量が低下していることが認められた研究や、亜鉛欠乏を生じているハムスターの血糖値が上昇するなどの研究も数多く報告されています。また、味覚異常になると、甘いものを食べたいという気持ちが増したり、無意識のうちに甘いものをたくさん摂取してしまったりすることも。糖尿病の血糖コントロールにおいて、亜鉛はとても大切な役割を果たしているのです。

膵炎や糖尿病においても亜鉛の重要性が示唆されている. 亜鉛はインスリンに含まれており, また, その分泌や機能の面からも必要不可欠である7). しかしながら, インスリン非依存型糖尿病 (2 型) 患者における血清亜鉛量は低下しているという報告もあり, その詳細は明らかではない. 我々は, 亜鉛欠乏を呈したハムスターの血糖値が有意な上昇を示唆する結果を得ている (投稿中). また, エネルギーコントロールの食事制限を受けている糖尿 病患者は, ミネラル摂取の欠乏が認められるという報 告8) があるが, その実態は明らかにされていない.

出典:「亜鉛摂取と糖尿病について」日本家政学会誌,58(4),2007

摂取量の目安と多く含む食べ物

亜鉛の1日の摂取量目安は、18〜69歳の男性なら1日10mg、女性なら8mgが目安です。魚介類や豆類、肉類など多く含まれ、特に牡蠣や鰻の蒲焼、ぶたれバーなどに多く含まれています。

糖尿病の方の場合、1日の摂取量目安を満たしていたとしても、脂肪や筋組織の崩壊による体内の亜鉛が放出されてしまうことや、代謝メカニズムの異常、腎障害などにより亜鉛が不足しがちになりやすいと言われています。 ただし、亜鉛はインスリンを作る膵臓では欠かせない栄養素ですが、過剰に摂取してしまうと貧血や胃の不調なども生じるミネラルでもあります。サプリメントなどを活用する際には、きちんと用法・用量を守るように心がけましょう。

[1]参考:健康長寿ネット:亜鉛の働きと1日の摂取量(2018年2月13日確認)

[2]参考:「亜鉛摂取と糖尿病について」日本家政学会誌,58(4),2007 [PDF]

マグネシウム

マグネシウムの働き

マグネシウムの摂取量と糖尿病には深い関係があると言われています。最近の研究では、マグネシウムの摂取量が多い人は、2型糖尿病になるリスクが10〜35%も低いと言う研究結果も報告されています[1]

そもそもマグネシウムとは、体内にある酵素の働きをサポートしてくれるミネラルの一つです。骨の形成や高血圧予防、血液循環正常化などに大切な役割を果たしています。特に糖質を代謝する上でマグネシウムは大活躍。糖尿病患者にマグネシウムを摂取させた実験では、空腹時の血糖値が低下し、糖尿病予防に効果があるのではないかと考えられています[2]。また、マグネシウムはカルシウムと拮抗することで血管を拡張。高血圧予防にも一役買ってくれています。[3]

マグネシウムが不足するとどうなる?

マグネシウムが不足すると動脈硬化や心疾患、糖尿病、高血圧などのリスクが高まります。また、血管攣縮により頭痛や心筋虚血を引き起こすこともあります。糖尿病においては、マグネシウムが不足するとインスリンがブドウ糖を細胞内に移動させるための反応が出来なくなり、インスリン・ブドウ糖の体内量が増加。肥満や糖尿病を引き起こすきっかけになってしまいます。このほかにも、マグネシウム不足は細胞がインスリンに応答しなくなるなど様々な悪影響を及ぼします。[4]

摂取量の目安と多く含む食べ物

マグネシウムの1日あたり摂取量目安は、男性でおよそ340〜370mg。女性で270〜290mg。年齢によっても少しずつ異なります。マグネシウムが多く含まれる食べ物には、ほうれん草や玄米、納豆などが挙げられます。いずれもスーパーなどで手軽に購入出来る食品ですから、ぜひ毎日の食生活に取り入れてみましょう。また、過剰摂取による健康障害は報告されていませんが、サプリメントなどで補給する際には、1日あたり350mg上限を目安にしましょう。

カルシウム

カルシウムの働き

ルシウムは骨を丈夫にする栄養素として知られていますが、糖尿病予防においてもとても大切な役割を果たしています。 厚生労働省の研究班が行った研究では、ビタミンDを多く摂取している人の中で、カルシウム摂取量が多い方は糖尿病になるリスクが約40%も低下していたと報告されています[5] [6]

カルシウムが不足するとどうなる?

カルシウムには、内臓脂肪を軽減させ、肥満を予防する作用もあることがわかっています[7]。体脂肪のコントロールにカルシウムが大切な役割を果たしていることも報告されていることから、カルシウムの不足は直接的な原因ではないかもしれませんが、肥満を引き起こす可能性も0ではありません。また、カルシウム不足により骨粗鬆症などの発症リスクも高まります。

摂取量の目安と多く含む食べ物

カルシウムを多く含む食品には、乳製品や豆類、海藻類などが挙げられます。カルシウムを摂取する際には、体内への吸収に欠かせないビタミンDもしっかりと摂取するように心がけましょう。

ミネラル以外に糖尿病に効果のある成分とは?

ミネラルは、身体の代謝やバランスを正常に保つだけではなく、糖尿病にも効果のある成分となります。 そのため、日々の食事の中で積極的に取っていくようにしましょう。

ミネラルの他にも、糖尿病の改善の為に研究されている成分は多くあります。 当サイトでは、「酵素」や「サポニン」といった糖尿病に効果があると言われている成分を多数紹介しているため、 ぜひ参考にしてみてください。

糖尿病改善のために研究されている成分を詳しく知る

参考文献

[1]参考:「マグネシウム(Mg)と糖尿病の関係について」CDEJ News Letter,17,2008 [PDF]

[2]参考:「Effects of oral magnesium supplementation on glycaemic control in Type 2 diabetes: a meta-analysis of randomized double-blind controlled trials.」Diabet Med. 2006 Oct;23(10):1050-6. [PDF]

[3]参考:健康長寿ネット:マグネシウムの働きと1日の摂取量(2018年2月13日確認)

[4]参考:「2型糖尿病におけるマグネシウムの役割」JICD,46(1),2015 [PDF]

[5]参考:国立研究開発法人 国立がん研究センター 社会と健康研究センター|予防研究グループ「カルシウムとビタミンD摂取量と糖尿病との関連について」2010 [PDF]

[6]参考:「Calcium and vitamin D supplementation is associated with decreased abdominal visceral adipose tissue in overweight and obese adults.」Am J Clin Nutr. 2012 Jan;95(1)

[7]参考:健康長寿ネット:カルシウムの働きと1日の摂取量(2018年2月13日確認)

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