糖尿病対策に!ポリフェノールの血糖値改善効果

ポリフェノールで血糖値を改善できる理由とは?

血糖値の改善効果も期待できるポリフェノール

さまざまな植物に含まれている成分で、健康効果が高いと注目されているポリフェノール。ここでは、血糖値の改善にも効果を発揮する、ポリフェノールについての情報を紹介しています。

ポリフェノールの血糖値改善効果

身近な食品にも含まれている栄養素・ポリフェノールは糖尿病の主症状の一つ「血糖値の上昇」を抑えてくれる成分です。

血糖値が上昇する理由

ポリフェノールの持つ血糖値改善効果について知る前に、そもそも糖尿病で血糖値が上昇する原因をまずは考えてみましょう。
血糖値コントロールがうまくいかなくなる原因の一つは、インスリンという血糖値を低下させるホルモンがうまく分泌されなくなってしまうこと。また、血液中の糖を細胞が取り込む際に、インスリンが効きにくくなる(インスリン抵抗性が高い)状態になると、血糖値を下げるのにインスリン量が多く必要になることなどが考えられます。

血糖上昇について 主として糖質の利用障害のために高血糖・頻尿が引き起こされる.糖質のほか,脂肪やタンパク質,電解質の代謝にも代謝障害が引き起こされる.健常者の空腹時血糖値(血中グルコース濃度)は約80mg/dL(70〜110 mg/dL)で,食後は上昇するが140 mg/dLを超えることはないとされている.血糖を上昇させるホルモンは多様であるが,低下させるホルモンはインスリンのみで,腎臓中のグルコース排出閾値を超えると腎臓から糖が尿に排出されることになり,これが糖尿であると言われている

出典:『特定保健用食品「食後の血糖値の上昇を緩やかにする」表示をした食品について』林ら,2008

また、私たちの体は食事でデンプン質を取り込むと、αアミラーゼという酵素がデンプンを分解。糖質をブドウ糖として体に吸収させ、血糖値を上昇させます。
そこで、糖尿病の血糖値上昇を防ぐには、こうした体の血糖値を上げる原因を何らかの方法で食い止める必要があるのです。

ポリフェノールが血糖値改善に良い理由

ポリフェノールは、植物が活性酸素から自らを守り出すために作る物質で、わかっているだけでも4,000種類以上のポリフェノールがあると言われています。有名なポリフェノールとしては、お茶に含まれているカテキン、大豆に含まれているイソフラボン、カカオポリフェノールなどが挙げられます。

ポリフェノールが血糖値の上昇を抑えてくれる理由は、ポリフェノールの持つ「アミラーゼ阻害」作用によるものです。 先ほどの話にも出たαアミラーゼの働きを邪魔し、体が糖類を分解するのを防ぐことで、血糖値が急激に上昇するのを予防できます。

糖類分解に関わる消化酵素であるα-アミラーゼやα-グルコシダーゼも, ポリフェノールにより阻害されることが知られている. 膵臓リパーゼ阻害がポリフェノールによる抗肥満作用を説明する一つのメカニズムであるのと同様に, 腸管における糖類分解酵素阻害はポリフェノールによる血糖値コントロールの一つのメカニズムとして捉えられている

出典:『食品の機能性成分の特徴と作用機序-5 機能性ポリフェノール』寺尾・芦田,化学と生物,44(10),2006

糖尿病対策にオススメのポリフェノールが多い食品

それでは、血糖値改善効果のあるポリフェノールを多く含む食品にはどんなものがあるのでしょうか?

血糖値改善効果も認められたポリフェノールを含む食品としては、黒大豆[1]やリンゴ[2]、グァバ葉、桑の葉、月見草エキス、コーヒー、ざくろ[3]、緑茶や赤ワイン、サツマイモ[4]、ゆず、アレロラ、カシス、大豆、ゆず、たまねぎなどがあります5]

果物はポリフェノールを多く含む食品の一つです。最近の研究では、柿ポリフェノールが高い血糖値抑制効果を持つことがわかり、機能性食品としても注目されています。

柿は,日本をはじめとする東アジアの代表的な果実であるが,その利用は専ら生食であり,その他の用途では,柿渋としての利用に限定されている.一方,果実中には,抗酸化性,血糖上昇抑制作用,血圧低下作用など生活習慣病を改善し得る作用が期待されるポリフェノールを多量に含んでいる.そこで,これに着目し,糖負荷後の血糖上昇抑制作用について検討したところ,柿ポリフェノールが,消化管内で糖質の消化と吸収を抑制することにより,糖負荷後(食後)の血糖値の上昇を抑制していることが動物実験より明らかとなり,その効果は,ヒトボランティアを用いた試験により確認された.また,官能検査により味質や香りについて評価したところ,柿渋のような強い醗酵臭,苦味,収斂味がなく,食品への応用も可能と考えられた.

出典:『柿ポリフェノールの機能性』米谷・竹森,2016

糖尿病対策で上手にポリフェノールを摂取するコツ

お酒や糖分の高い食品は避ける

糖尿病の方にとって、糖分やアルコールは血糖値を上昇させるため、できれば避けたいところです。とはいえ、赤ワインやチョコレートのように、血糖値改善効果などが期待できるポリフェノールを含む食品は数多くあります。

アルコールであれば、せめてグラス1杯に留めるなど、量を調整しましょう。1日に飲めるアルコールの摂取量は、主治医の指示に従うのが原則です。また、休肝日を作るようにするといいでしょう。

また、できる限り糖分の多い食品は避け、緑茶やブラックコーヒー、ウーロン茶、グァバなど糖分を含まないものからポリフェノールを補給するといいでしょう。また、塩分の多い食品は腎臓に負担がかかります。食塩摂取量を控えるためにも、糖分だけでなく塩分にも気を配ってみましょう。
お茶類は、水分補給にもなります。

また、間食でポリフェノールを摂取するなら、間食後は軽くでもいいので運動を心がけてみましょう。

ポリフェノールはこまめに摂取することが大事

一般的に糖尿病の方は、1日3食の食事の他に間食をすると体重が増えやすくなり血糖値が上手にコントロールしにくくなります。そのため、おやつを食べるなら量を決めて、少量をゆっくり食べるのが大原則です。フルーツや野菜などからポリフェノールを摂取しようと思う際にも、この点を心がけるといいでしょう。

また、ポリフェノールの摂取量の目安は1日1,000〜1,500mgと言われており、体内に入ってから抗酸化作用が持続するのは3時間ほどです。そう考えると、こまめな補給が大切ということがわかります。

必要に応じてサプリメントも活用する

こうしてみてみると、ポリフェノールを食事に取り入れようと思っても、カロリー制限や塩分・糖分制限などがあり、どれだけ食べてもいいというわけではないことがわかるのではないでしょうか。ポリフェノールを効率よく摂取するなら、必要に応じてサプリメントも活用するといいでしょう。

ポリフェノール以外に糖尿病に効果のある成分とは?

ポリフェノールは身近な食品にも含まれており、血糖値の上昇を防ぐことも期待できる成分です。また、ポリフェノール以外にも、糖尿病改善の為に研究されている「酵素」や「サポニン」といった成分が多数あるため、ポリフェノールだけではなく、いろいろな栄養をバランスよくとって、糖尿病改善を目指していきましょう。

糖尿病改善のために研究されている成分を詳しく知る

参考文献

[1]参考:『大豆の新規機能性成分の開発 : 黒大豆種皮ポリフェノールとピニトール』吉田,2013

[2]参考:『リンゴポリフェノールによる易肥満性ラットの脂質代謝およびインスリン非依存性の改善』太田ら,2007

[3]参考:『ポリフェノール高含有素材に含まれる血糖値上昇抑制成分の探索』河邉,2017

[4]参考:『食品の機能性成分の特徴と作用機序-5 機能性ポリフェノール』寺尾・芦田,化学と生物,44(10),2006 メルシャン酒類研究所 2000

[5]参考:『ポリフェノールの機能性』小瀬木ら,2015

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