妊娠糖尿病はどんな糖尿病か?

【医師監修】妊娠時になる可能性が高い妊娠糖尿病とは

Supervision先天性糖尿病、妊娠糖尿病について

監修医師

監修医師情報

上野内科・糖尿病内科クリニック
院長

上野 尚彦先生

ここでは、遺伝子が原因といわれる先天性糖尿病と、妊娠中に引き起こされる妊娠糖尿病について詳しく紹介しています。

遺伝で糖尿病になる?先天性糖尿病とは

血縁者に糖尿病の方がいる場合、糖尿病になりやすい体質を受け継ぐことがあり、その場合、生活環境などの要因が加わって糖尿病を発症しやすくなる、ということは事実です。

また、糖尿病の原因となる遺伝子異常が実際に起こることがありますが、これは非常に稀な例です。遺伝子が原因で起こる糖尿病を先天性糖尿病といいます。

糖尿病と人種は関係する?

糖尿病は人種にも関係するといわれています。日本人は欧米人に比べ、一 型糖尿病にかかる方の割合が非常に低くなっています。

一方、二 型糖尿病に関しては、最近は特に日本人が発症する割合が著しく多くなっています。食事が欧米化したからという原因も考えられますが、もともと欧米の食文化を持つ欧米人と比べても発症率が非常に高いことから、日本人はもともと二 型糖尿病にかかりやすい体質であるとも言えます。

妊娠中は注意が必要!妊娠糖尿病とは

妊娠中は胎児の定期検診とともに、母体の血液検査などもよく行われますね。これは、妊婦の血糖値を定期的に調べるという意味合いもあります。

妊娠すると、胎児が大きくなるにつれてエネルギーの消費も増えますが、同時に胎盤からインスリンの働きを抑えるホルモンも分泌されたり、胎盤内でインスリンを壊す酵素がつくられたりなど、母体はインスリンが効きにくい状態になります。

正常の場合では、自分の膵臓からインスリンが多く分泌されて血糖値を調整できますが、もともとインスリン分泌が少ない、またはインスリンの抵抗性が強い場合は、インスリンの調節がうまくいかず、結果、妊娠糖尿病にかかることがあります。

妊娠糖尿病とは、妊娠前は正常な状態であっても、妊娠して糖尿病を引き起こした状態です。もともと糖尿病の方が妊娠した場合は、糖尿病合併妊娠となります。

妊娠糖尿病の場合は、出産後にそのまま糖尿病に移行する可能性が高いため、血糖値の管理が重要となります。

ちなみに、ブドウ糖は母体から胎児へ運ばれますが、インスリンについては、胎児の膵臓から分泌されるため、母体がインスリン不足でも胎児には問題ありません。しかし、胎児自体のインスリンの量が多い場合は巨大児になるなど、胎児にも影響があります。

妊娠糖尿病の治療方法

妊娠糖尿病と診断された場合、主な治療は血糖値コントロール。そのために必要なのが、食事療法と薬物療法です。

まず、妊娠糖尿病では合併症を確実に防ぐため、食事療法は入院して行うことが多め。医師・看護師のもとでしっかりと血糖値を管理し、母体を守りつつ、胎児に必要な栄養を送ることが目的です。とくに、妊娠中は食後血糖値が高くなる傾向があるため、急上昇を防ぐために分食(食事を1日4~6回に分けてとる)を導入することもあります

食事療法で血糖値が改善されない場合、インスリン注射による薬物療法が用いられます。経口薬は胎児に影響が出る恐れがあるため、使用はできません。

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上野内科・糖尿病内科クリニック
院長

上野尚彦先生


妊娠を維持するためには栄養バランスが何より大事

妊娠糖尿病の治療で大切なのは、赤ちゃんに必要な栄養をしっかりと摂りつつ、血糖値を急上昇させない食事を心がけること。赤ちゃん・母体の健康を保つためには、何よりも栄養バランスが大事。たんぱく質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラル・食物繊維の、どの栄養素が不足してもいけません。

基本的には病院の指示によって食事療法を進めていくことになりますが、どうしても不足しがちな栄養素がある場合は、サプリメントの利用を視野に入れ、相談してみると良いでしょう。