糖尿病の血糖値の基準と影響

【医師監修】高いと危険?!糖尿病の診断基準である血糖値の見方

Method血糖値

監修医師

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上野内科・糖尿病内科クリニック
院長

上野 尚彦先生

血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度を示す数値です。血液中に糖がどのくらいあるのかを表す数値なので、糖尿病の診断にとっては重要な数値となっています。ここでは、健康診断における血糖値の見方と、血糖値が上昇することによる弊害についてまとめています。

血糖値は糖尿病の診断基準として重要な数値

血糖値は、糖尿病の診断および健康管理の指標として欠かせない数値です。

食事として摂取した糖質(炭水化物)は体内でブドウ糖となり、エネルギー源として細胞へ送られますが、糖尿病になるとその機能が低下。細胞に取り込まれなかったブドウ糖が血液中にあふれ出し、血糖値が高くなります。

糖尿病か否かは血液検査によって判明しますが、血糖値は食事や時間帯によって変動するのが特徴。そのため、空腹時血糖値・食後血糖値・早朝血糖値などを検査し、ヘモグロビンA1cの数値も加味して総合的に診断されます。

血糖値の基準値

糖尿病の診断に使用される、血糖値の基準値は以下の通りです。

  • 空腹時の血糖値が110mg/dl未満…正常
  • 空腹時の血糖値が100~125mg/dl…糖尿病予備軍
  • 空腹時の血糖値が126mg/dl以上…糖尿病の疑い

糖尿病予備軍の場合は、生活習慣の改善が必要です。日常的に運動を取り入れる、食事内容に気をつけるなど、積極的に改善していきましょう。

糖尿病と診断された場合は、ただちに適切な治療を行う必要があります。治療を行わずそのまま放置しておくと、糖尿病はどんどん悪化し、さまざまな合併症を引き起こします。最悪の場合、死に至る可能性もあるのです。

しかし、検査をすれば糖尿病か予備軍かは明確になるのですが、血糖値が200mg/dl前後であっても自覚症状はほとんどないことがあります。のどが異常に渇く・疲れやすくなる・尿が増えるといった症状が見られるようになるのは、血糖値が300~400mg/dlくらいになってからなのです。

自覚症状は血糖値が相当高くならないと現れず、しかも、気づいたときには糖尿病が初期から中期に差し掛かっている可能性があります。合併症が進行している恐れもあるため、すぐにでも治療をスタートしましょう。

高血糖が引き起こす糖尿病関連病

高血糖の状態が続くと、糖尿病の3大合併症(糖尿病性網膜症・糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症)のリスクが増加。さらに、血管にも多大な負担がかかって動脈硬化が進みやすくなり、脳梗塞・心筋梗塞といった重篤な疾病を引き起こすこともあります。

このように、血糖値が高い状態は良くないことです。しかし、血糖値は低ければいいというわけではありません。

血糖値が60 mg/dl以下になることを低血糖といい、体が危険な状態になります。異常なまでの空腹感やふるえ・冷や汗・動悸などの症状が現れ、意識を失うこともあるのです。低血糖になったら、すぐに糖分を摂取しましょう。糖質を含むジュースなどがオススメです。

また、糖尿病になると、内服薬やインスリン注射で治療を行なうことがありますが、これらの治療は血糖を低くする作用があるため、普段より食事の時間が遅くなったり、いつもより運動したり、間違えて薬や注射の量を多くしてしまったりすると、あっという間に低血糖になってしまう危険性もあるのです。

血糖値は1日のうちで上下する数値ですので、細かくチェックして一喜一憂する必要はありませんが、生活習慣や食生活の改善は、途中であきらめることなく継続することが大事。気を引き締め、毎日規則正しい生活を送ることを心がけましょう。

糖尿病の食事療法に必要なのは栄養バランス

糖尿病治療では、とくに食事に気をつける必要がありますが、摂取カロリーを抑えればいいというものではありません。カロリーばかりを気にして栄養バランスが崩れてしまうと、糖尿病の改善・予防どころか、症状を悪化させてしまうこともあるのです。

糖尿病の食事療法において、「食べてはいけない」というものは特別指定されていません。カロリー計算ももちろん重要ですが、最も必要なのは栄養バランスのとれたメニュー構成と、血糖値を急上昇させない食材の組み合わせ・食べ方の工夫です。

ポイントを押さえれば面倒なカロリー計算を必要以上に気にすることなく、無理なく食事療法を続けていくことができます。

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上野内科・糖尿病内科クリニック
院長

上野尚彦先生

血糖値とヘモグロビンA1cの違い

血糖をチェックするために「血糖値」と「ヘモグロビンA1c(HbA1c)」。
健康診断では両方チェックすることが多く、それぞれの数値をどう見たらいいのか混乱してしまうかもしれません。

健康診断で言われる血糖値とは、空腹時血糖を指す言葉で、血液の中に糖がどのくらい存在しているかを示す値です。一方で、ヘモグロビンA1c値とは、血液中にあるヘモグロビンの中で糖と結合したものの割合を示す値。
一方、血糖値は空腹時の血中の糖分量を測る数値、ヘモグロビンA1c値は過去1〜2ヶ月前の血糖値の平均値を測る目安となる数値です。

健康診断や人間ドックで検診前には食事を抜くように指導されるのは、血糖値を正確に測るためになります。また、普段から食事量や食事のタイミングにムラがある場合、ヘモグロビンA1c値は高い値となりやすく、注意が必要です。

血糖コントロールを測る指標には他にも2週間から1ヶ月間の血糖コントロールの状況をチェックするグリコアルブミンや、1〜2週間の血糖コントロール状況をチェックするフルクトサミンなどがあります。

糖尿病と診断される基準は?

日本糖尿病学会が2012年に改定した新しい糖尿病の診断基準では、血糖値に加えてHbA1cの値も糖尿病の診断に用いられることとなりました。

具体的には、(1)血糖値が早朝空腹時に126mg/dL以上、(2)75gOGTTによる負荷後2時間で200mg/dL以上、(3)随時血糖値200mg/dL以上、(4)HcA1c6.5%以上、のいずれかが認められた場合には糖尿病と判定されることとなりました。

また、糖尿病発症のリスクを図る値として、HbA1c値をどう扱うかに関しては依然として様々な議論が行われています。

2010年にアメリカ糖尿病学会(ADA)は、糖尿病に進展しやすい高リスク群の糖尿病前症として今までの空腹時血糖(FPG)100〜125mg/dL、または経口ブドウ糖負荷試験2時間後血糖が140〜190mg/dLの診断基準に加え、HbA1cが5.7〜6.4%を追加したがHbA1c値での診断も可能とした.しかし,糖尿病前症はHbA1cの下限範囲が5.7%でいいのか、また条件としてまたはでいいのかなどHbA1cの意義については未だに意見の一致をみていない

出典:(PDF)「HbA1c5.6~6.4%かつFPG100~125mg/dLの糖尿病前症は糖尿病発症の高リスク群 人間ドック (Ningen Dock) / 32 巻 (2017) 3 号 [PDF]

いずれにせよ、血糖値に加えてHcA1cは自分の体が血糖値をきちんとコントロールできているかを図る大切な指標です。数字の意味を理解して、糖尿病予防に役立てましょう。

ヘモグロビンA1cを下げるための対策

では、ヘモグロビンA1cを下げるためには、いったいどうしたらいいのでしょうか?

基本的に、ヘモグロビンA1cは、ご自身の過去1〜2ヶ月の血糖値の平均です。そのため、きちんと日々の血糖値を低くするように食事や飲酒量、運動習慣などに注意を払うことが大切になります。

また、ヘモグロビンA1cを急激に下げることはできませんので、1~2か月間、食生活の改善と運動を行い、コツコツと取り組むしかありません。

食生活

ヘモグロビンA1cを下げるためには、米やパン、麺類などの糖質が高い食べ物を避け、低糖質な食事を心がけるといいでしょう。また、食べる順番も血糖値の急激な上昇を避け、血糖値を下げるために野菜や納豆など食物繊維が豊富なものを積極的に食べるようにしましょう。

運動

血糖値改善や、高血圧対策と同じように、ヘモグロビンA1cを下げるためにも運動は大切です。1日30〜45分、早歩きでウォーキングを続けるだけでも違います。

ぜひ、朝晩の出勤時間や外出先でも早歩きを心がけてみてはいかがでしょうか?

糖尿病の症状改善に研究されている成分はコチラ

糖尿病は、血液中のヘモグロビンA1c と血糖値が継続して高くなる病気。つまり、糖尿病の治療は、この2 つの数値をいかに下げるかにポイント。

現在、ヘモグロビンA1c と血糖値を下げる効果があるとされる成分や糖尿病の症状改善に研究されている成分があります。糖尿病の改善に有効とされる成分を栄養バランスに加えて、取り入れることをオススメします。

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