ごぼうの血糖値・糖尿病に対する効果
特に健康効果などは関係なく、「おいしいから」という理由でごぼうを取り入れている方も多いでしょう。ですが、血糖値を下げるのにも役立ってくれる食材なのです。
ごぼうには水溶性の食物繊維が多く含まれていて、この水溶性食物繊維は腸内細菌の餌になります。食物繊維は腸を刺激し、便通を良くする働きもあるので、コレステロール値を下げるのにも役立ってくれるのが特徴です。
糖尿病の大敵とされている肥満を予防するためにも、しっかり食物繊維を含んだ食材を取り入れたいですね。
また、注目したいのがごぼうに含まれている「イヌリン」と呼ばれる成分です。これは、多糖類の一群のことなのですが、こちらも血糖値を抑えるのに役立ってくれます。
腸内に入ったイヌリンは水分を吸収してゲル状になり、食事から摂取した糖質の吸収を抑える役割を持っているのです。糖質の吸収が抑えられれば、その分血糖値も上がりにくくなるため、こういった働きには注目しておきたいですね。
実際にマウスだけなくヒトへの実験も行われており、血糖値を下げる効果が確認されています。腸内細菌環境が改善したとの報告もあるので、普段の食生活の中でごぼうを積極的に取り入れてみてはどうでしょうか[1]。
ごぼうを摂取する時に気をつけたいこと
ごぼうは様々な料理の中で使われているため、取り入れるに当たって特に注意点はないように感じるかもしれません。ですが、食べ過ぎには注意しましょう。
というのも、食物繊維が非常に豊富な野菜ということもあり、食べ過ぎるとお腹が痛くなってしまうこともあるからです。
ごぼうに含まれる食物繊維は水溶性と呼ばれるものなのですが、食事では「水溶性1:不溶性2」といった割合で食物繊維を取り入れていくのが理想的とされています。
ごぼうを大量に食べると水溶性食物繊維の摂取量が多くなって下痢気味になってしまうことがあるので、取り入れる際には不溶性の食物繊維もしっかり摂取したいですね。
一日当たり150グラム(1本程度)までに抑えておきましょう。
おすすめのごぼうレシピ
ごぼうといっても煮物に使ったり、いつも似たような使い方しか思い浮かばない…という方もいるのではないでしょうか。そこで、おすすめのレシピを3つご紹介します。
-
-
レシピその1:こんにゃく入りきんぴらごぼう
- <材料>
ごぼう…1本
人参…40グラム(4センチ程度)
糸こんにゃく…一袋
ラカントS…大さじ1
みりん…大さじ1
ゴマ油…小さじ1/2
めんつゆ(3倍濃縮)…大さじ2~3
<作り方>
1.アルミホイルを丸めたもので表面をこすってごぼうをキレイにする
2.ごぼうをささがきにする(水にはつけない)
3.人参も同じくらいの大きさに切る
4.糸こんにゃくは水で軽く洗い、水分を切ってから5cmほどの長さに切る
5.フライパンにサラダ油を入れ、ごぼう、人参を炒める
6.ラカントS、みりん、めんつゆを加え、よく混ぜてから蓋をし、弱火~中火で火を通す
7.糸こんにゃくに色が入ったら蓋をとって強火で仕上げる
8.ゴマ油を混ぜ、お好みで七味唐辛子をかけて完成
一般的にきんぴらごぼうといえば、砂糖を使うのですが、ここでは自然派甘味料で血糖値に影響を与えないラカントSを用いています。通常の上白糖よりも価格は高めですが、血糖値が気になる方はぜひ用意しておきましょう。
また、ごぼうは食物繊維の非常に豊富で糖質もそれほど多くはないので心配ないのですが、人参を多く入れると意外に糖質量が増えるので、人参は少量にしてその分をこんにゃくでうまくかさ増ししましょう。
-
-
-
レシピその2:ごぼうチップス
- <材料>
ごぼう…1/2本
揚げ油…適量
塩…適量
青海苔…適量
<作り方>
1.丸めたアルミホイルでこすってごぼうの汚れを落とす
2.ごぼうをささがきよりも厚めにスライスする
3.油を熱し、ごぼうに軽く色がつく程度まで揚げる
4.すぐに塩を振り、青海苔をかけたら完成
お菓子感覚で食べられます。とても簡単なレシピとなっているので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
料理があまり得意ではない方も、油で揚げるだけなので挑戦しやすいのではないでしょうか。
あまり薄めにごぼうをスライスしてしまうとあっという間に焦げるので注意が必要です。薄くスライスする場合は、低めの温度設定にして短時間揚げるようにしてみてください。
-
-
-
レシピその3:ごぼうとベーコンのサラダ
- <材料>
ごぼう…1本
ベーコン…適量
にんにく…1個
ドライパセリ…適量
塩・コショウ…適量
オリーブオイル…適量
マヨネーズ…適量
<作り方>
1.アルミホイルを丸めたものでこすってごぼうの汚れを落とす
2.斜めに5ミリ程度の薄切りにし、2~3分程度水に浸けてから水気を切っておく
3.フライパンにオリーブオイルを入れ、中火で薄切りにしたにんにくが焦げないように炒める
4.ごぼうと食べやすい大きさに切ったベーコンを加えて炒める
5.火をとめ、ボウルに移してから塩コショウを振りマヨネーズを加える
6.器に盛り付けてドライパセリを振って完成
とてもシンプルなメニューではありますが、にんにくとベーコン、マヨネーズのうまみが混ざっておいしい一皿になります。ベーコンもマヨネーズもオリーブオイルも糖質の少ない食材なので、組み合わせておいしい料理を作ってみましょう。
-
糖尿病予防のためにも日頃の食生活にごぼうを上手に取り入れよう

ご紹介したように、ごぼうは血糖値の上昇を押さえてくれるだけでなく、様々な食べ方ができる食材です。ただ味噌汁に入れてもおいしいので、普段の食生活の中でごぼうを取り入れられるメニューを考え、意識して取り入れていきたいですね。
また、血糖値のことを考えるのであれば栄養素などについてもよく理解しておくことをおすすめします。こちらのページでは栄養学などについてご紹介しているので、参考にしてみてください。
参考文献
当サイトのご利用にあたって
当サイト(糖尿病の末路 初期症状から末期症状まで、危険な合併症の解説と改善・対策・予防ガイド)は、私たち「糖尿病を食から考える会」が運営する、糖尿病に関する情報をわかりやすくまとめたサイトです。当サイトには、できるかぎり最新の、信頼性の高い情報を掲載する心掛けております。ただし、その内容の正確性・安全性について完全に保証できるものではありません。掲載情報の活用については自己責任でお願いいたします。万が一、当サイトの情報によって何らかの損害が発生した場合には、各種専門機関にご相談ください。
糖尿病を食から考える会について