糖尿病予防・改善のために控えたい食事

糖尿病の方が控えたい食事について

糖尿病予防・改善のために控えたい食事

糖尿病は、血糖値を下げるインスリンが上手く働かなくなり、血糖値のコントロールが上手くできなくなる病気です。糖尿病の予防・改善には、食事療法が効果的といわれています。網膜症・腎症・神経障害といった合併症を予防し、心筋梗塞や脳梗塞を防ぎ、健康な人と同じように日常生活を送るためには、私たちの口から入る食べ物に気をつけることが大切なのです。

適切な治療と食事療法を行えば、糖尿病合併症や動脈硬化症の発症を防ぎ、QOL(生活の質)を維持することができます。

糖尿病患者が控えるべき食べ物

糖尿病の方は、基本的に栄養バランスの良い食生活を送ることが理想です。「絶対に食べてはいけない」という食品はありませんが、糖質やでんぷん質が多いために控えた方がよい食べ物というものはあります。

インスリンの働きが弱まっており、血糖コントロールができない糖尿病の場合、糖質の多い食材を食べ過ぎると急激に血糖値が上がってしまい危険です。

ご飯・パン類や麺類(そうめん、うどん、そば、ラーメンなど)、糖が多い食べ物は食べすぎないようにしましょう。コーンフレーク、ケーキ、まんじゅう、スナック菓子、清涼飲料水やジュースなどにも、多くの砂糖が含まれています。カップ麺や菓子パンも、糖質が多い食べ物の代表的な存在です。

また、砂糖入りのジュースは控えましょう。野菜ジュースにも、しばしば砂糖が入っています。緑茶やウーロン茶に変え、コーヒーや紅茶を飲む時にも砂糖を控えましょう。

でんぷん(糖質)の多い食材・食品も、意識的に控えるのがおすすめです。でんぶんを多く含む食べ物は、餅、カボチャ、イモ類、とうもろこし、くり、大豆以外の豆類(インゲン豆、小豆など)があげられます。

食事・調理のときに気をつけたいポイント

間食を控える

間食でついつまみがちなせんべいやケーキといったお菓子はたくさんの砂糖や糖質が含まれているので、白砂糖はもちろん、ハチミツなどの甘味料をできるだけ控えるようにしてください。どうしても甘みが欲しい場合は、糖尿病用の人工甘味料を使ってみましょう。

また、運動をしたからといって、食べ過ぎてもよいというわけではありません。運動によるエネルギーの消費は微々たるもので、食べ過ぎたエネルギーを消費するのは難しいからです。例えば、ポテトチップス1袋分を消費しようと思った場合、ランニングを1時間ほど行わなくてはなりません。

ただし、間食をまったくしてはならないというわけではありません。医師と相談して、間食の適量を決めている方もいます。例えば、個包装されたお菓子を選ぶ、食べる量を明確に決めるなど、工夫をこらすことで上手に間食を取れるでしょう。

主食を食べすぎないようにする

ご飯や麺類など、いわゆる主食とよばれる食べ物は、炭水化物(糖質)を多く含んでいます。そのため、例えば昼食をラーメン・うどん・そばのみなど、主食だけで食事を済ませるのはおすすめできません。

また、パンだけ・おにぎりだけで食事を済ませるのも良くありません。主菜や副菜には食物繊維が含まれる野菜が多く、糖質の吸収を緩やかにして血糖値の急激な上昇を抑えてくれます。主菜・副菜を取るのは、ただ栄養を摂るだけではなく、血糖値のコントロールにも繋がるのです。

主菜だけで済ませるのではなく、主食・菜食・副食をバランスよく取りましょう。

減塩をする

糖尿病の方は、高血圧を防ぐため、塩分を摂りすぎないように心がけましょう。塩分の摂取量は、男性1日8g未満、女性1日7g未満が理想です。[2]

食塩の摂取量が多くなると血圧が上昇し、腎臓に負担がかかってしまいます。糖尿病の合併症の一つに「腎臓病」があるのも、糖尿病が高血圧を誘発しやすく、腎臓に大きな負担を強いてしまうからです。

また、血圧が高くなると血管の老化が進んで動脈硬化が起こり、脳梗塞や心筋梗塞などが起きやすいといわれています。普段の食事にお酢やだし、レモンを用いることで塩分量をグッと抑えられるので、味付けを少しずつ変えてみましょう。

アルコールを控える

少量をたしなむ程度であれば良いのですが、アルコールはつい限度を超えて飲んでしまいがち。アルコールの飲み過ぎは肝臓病を誘発しかねないので、おすすめはできません。

また、おつまみには血圧や血糖値を上げやすい食べ物が多いうえ、飲酒後は低血糖になりやすく、肝臓に負担がかかってしまうことも。アルコールにはエネルギーはありますが栄養素は足りません。アルコールのために食事を控えると、不健康な痩せ方をすることもあります。

病状が安定しており、コントロールがうまくいっている状態なら、1合程度のアルコールを飲んでも良いと言われています。コントロールができないうちは、できるだけ飲酒を控えましょう。

糖尿病を悪化させないための食事療法

糖尿病において、食事療法は治療の基本です。もっとも効果が期待できる方法であり、投薬など他の治療法をサポートするといった重要な治療法です。

糖尿病は、明確な治療法が見つかっていません。そのため、糖尿病治療の目的は、合併症を予防することです。2型糖尿病の場合は、食事療法だけでも病状を回復できる可能性があります。

血糖値コントロールの必要性

糖質は、体のエネルギー元となる大切な栄養素のひとつです。

しかし、糖尿病患者の場合、インスリンをうまく分泌できず、糖を処理できないため、血糖値を自力で下げることが困難です。また、血糖値が上がりっぱなしになると、インスリンを分泌するすい臓に負担がかかり、ますますインスリンの量が減ってしまうという悪循環に陥ります。

適正エネルギーを摂取する

年齢・性別・慎重・体重によって、1日に必要なエネルギー量は異なります。

エネルギー量は以下の計算式を使って簡易的に出すことができますが、必ず医師と相談したうえで決定したエネルギー量を守り、食事療法を行いましょう。

エネルギー摂取量(kcal)=身体活動量(1)×標準体重(2)

1.身体活動量(kcal)

2.標準体重(kg) = 身長(m)×身長(m)×22

身体活動量については、デスクワーク中心の生活をしている方は25~30kcal/kg、立ち仕事がメイン場合は30~35kcal/kg、身体を動かす機会が多い方は35~kcal/kgが目安となります。[1]

栄養バランスを考えた食事を摂る

食事療法の基本は、バランスの良い食事です。主食・主菜・副菜のそろった食事を摂りましょう。

適正なエネルギー量を摂取できるバランスの良い献立には、日本糖尿病学会が出している食事療法のテキスト「糖尿病食事療法のための食品交換表」が便利です。食品交換表は、日常的に食べている食品を栄養素ごとに6つのグループ+調味料に分けて表にまとめたもの。

80kcalを1単位として表の中に振り分けており、ざっくりとエネルギーや栄養バランスを管理できるように作られています。同じ表の中にある食品なら交換できます。食品交換表は、飽きのこない献立を考えるためのサポートをしてくれるツールです。

「糖尿病食事療法のための食品交換表」は、食事療法が治療の要となる糖尿病には欠かせないテキストなので、ぜひ目を通してみてくださいね。

栄養バランスに気をつけて3食しっかり摂りましょう

食事は、満腹感を感じるほど食べすぎると、糖質を摂りすぎる可能性があります。しっかりと噛んで味わい、腹8分目で抑えましょう。

糖尿病にとって、食事療法こそがもっとも効果があると言われている治療法です。糖尿病がどれくらい進んでいるのか、合併症の有無などでも変わってきますが、比較的軽い症状の2型糖尿病であれば、栄養バランスの整った食事をするだけでも、病状が良くなることがあります。

また、このような食事療法は、糖尿病患者だけでなく、糖尿病などの生活習慣病を予防する最善策です。1日三食、主食と副菜のそろったバランスの良い食事を心がけましょう。

参考文献

[1]参考文献:東京都病院経営本部:食事療法のすすめ方 糖尿病の食事

[2]参考:厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要

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