糖質制限食で糖尿病を予防できる!?

糖尿病を予防する糖質制限とは?

糖尿病予備軍が意識したい
糖質制限食

食生活や運動不足による肥満などが原因となって引き起こされる2型糖尿病は、体の中でインスリンを上手く作用させられなくなり、血糖値が常に高い状態になってしまう病気です。
糖尿病の予防には「太らないこと」が大切なのは確かですが、日本人の場合、痩せたまま糖尿病になる方も少なくありません。というのも、日本人はもともとインスリンの分泌能力が低い。そのため、糖尿病を予防するには、血糖値を適正に保つための食生活が何よりも肝心です。
そこで、近年注目されているのが、ただ摂取カロリーを制限するだけのカロリー制限食ではなく、糖質「だけ」を制限する糖質制限食です。
糖質制限食は、米類や麺類、パンなどの糖質の摂取量を減らし、血糖値が上昇するのを防ぐ食事のことを指します。

糖質制限食の効果

実際に、糖質制限食が食後の高血糖に与える影響はどんなものがあるのでしょうか。

糖尿病の初期では食後に血糖値が上昇すると、インスリンが過剰に分泌され、インスリン血症が引き起こされます。インスリンの分泌量が高い状態で維持されてしまうと、すい臓にあるβ細胞と呼ばれる細胞が疲弊。結果糖尿病を引き起こしてしまうのです。

そのため、食後の血糖値上昇をゆるやかにすることは、インスリンの過剰分泌を予防し、ひいては糖尿病予防となります。

糖代謝異常の患者さんに対しては、脂肪・炭水化物調整流動食が栄養補給を目的に用いられることがあります。この脂肪・炭水化物調整流動食の糖質を調整した流動食の作用を調べた研究では、ラットに糖質調整流動食を投与したところ、その他の脂肪・炭水化物調整流動食と比べて投与後の血糖値が優位に低い値を示していたことが報告されています[1]

また、糖質制限食は短期間で血糖コントロールや体重コントロールを実現できるとして、糖尿病患者の手術後の合併症予防として医療現場でも用いられています。

39 歳男性. 20歳代で糖尿病を指摘され近医通院していた.胆石発作のため入院.入院時は身長 175cm,体重97kg (BMI 31.6),HbA1c 8.5% (JDS),空腹時血糖値 210mg/dlと肥満及びコントロール不良の糖尿病を認めた.胆囊摘出術を予定し, 江部らが提唱する糖質制限食を自宅で実践した. インスリンや経口血糖降下薬は一切使用しなかった.2か月半後に体重 88kg (BMI 28.7),HbA1c 5.6% (JDS),空腹時血糖値 108mg/dlまで改善し, 胆囊摘出術を安全に施行できた

出典:「糖質制限の実践により短期間で血糖値が安定し,安全に胆嚢摘出術を施行できた1例」北関東医学,2014 [PDF]

糖質制限するために知っておきたい糖質の種類

糖質といっても糖質には種類がございます。果物やブドウ糖の「単糖類」と、「少糖類」、単糖が結合している「二糖類」、「多糖類」の4種類に分類されます。糖質の性質として、結合数が多くなればなるほど消化吸収に時間を要し、血糖値は上がりにくく腹持ちの良さにつながっていきます。ですので、「二糖類」、「多糖類」は比較的血糖値の急上昇を抑えられrことにつながります。

炭水化物・おやつの糖質分類表

多糖類

うどん、そば、白米・玄米、全粒粉入りパン

単糖・少糖類

果物、砂糖・はちみつ、甘いジュース、アメ・キャラメル

糖質制限の方法

では、糖質制限はどうやって実践すればいいのでしょうか。糖質制限食の基本は、「糖質の摂取を控えること」です。

糖質摂取量の制限は意外と簡単で特に難しい計算をする必要はありません。

基本は糖質が多いとされる食品を控えるだけ。カロリーなどは気にしなくても大丈夫です。

アメリカ糖尿病学会 (AmericanDiabetes Association: ADA) によれば, 食物が消化・吸収された後,糖質は 100%血糖に変わるが,蛋白質と脂質は血糖に変化しない. この事実は含有されているカロリーとは無関係な三大栄養素の生理学的な特質である.糖質制限食とは上述のような生理学的事実を基盤として, できるだけ糖質の摂取を抑え, 食後高血糖やインスリンの追加分泌を防ぐというものである. つまり米飯,麵類, パンなどの穀物や, 芋類など糖質の多い食品をできるだけ控え, 糖質摂取量を 130g/日以下にする食事療法である. 厳格なカロリー計算は原則不要だが, 江部は身体活動レベルが低い男性であれば 1,850~2,250kcal,女性は 1,450~1,700kcalを目安と説いている.

出典:「糖質制限の実践により短期間で血糖値が安定し,安全に胆嚢摘出術を施行できた1例」北関東医学,2014 [PDF]

とはいえ、糖質を完全に食事からなくすことは難しいもの。 糖尿病予防であれば、少しずつ糖質を減らすように意識をするだけでもいいでしょう。

例えば「ごはんの量を半分にする」「おかずは普通に食べて主食(米やパン)は食べない」という方法でも効果はあります。

また、お菓子などの甘いものは糖質が多く含まれているので、できるだけ避けるように心がけましょう。

食べ方だけではなく、栄養にも気を付けよう

糖質制限は、血糖値の上昇を防ぎ、糖尿病の予防につながるため、正しい知識の元、行うことを検討しましょう。
また、糖質制限をするだけではなく、バランスのいい食事をとることも、糖尿病の予防につながってきます。当サイトでは「酵素」や「サポニン」といった糖尿病改善の為に研究されている成分を紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

参考文献

[1] 「糖質調整流動食 (MHN-0 ー) の食後高血糖抑制と糖尿病病態の進行抑制効果」2003

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