禁煙を糖尿病リスクを抑えよう

糖尿病予防に禁煙は絶対!

糖尿病リスクを高め、
治療の妨げになるタバコ

交感神経を刺激し、血糖値を上げてしまうタバコは、インスリンの働きも邪魔し、より糖尿病リスクを高めます。健康のために禁煙はどんな病気の予防にも大切ですが、糖尿病でもとても重要。なぜ禁煙が糖尿病予防にいいのかを解説していきます。

タバコを吸うと糖尿病にかかりやすくなる

糖尿病予防には禁煙が大切だと言われても、なぜなのかが分からなければ禁煙する気持ちもなかなか起こりにくいかもしれません。そこで、まず、喫煙と糖尿病の関係についてある研究をご紹介しましょう。

喫煙状況と糖尿病の発症リスクを調べた7つの研究・25の追跡調査の結果を統合した海外の研究では、喫煙者は非喫煙者と比べて糖尿病の発症リスクが1.44倍になっていたことが分かっています。また、喫煙本数と糖尿病のかかりやすさには相関関係が見られ、タバコをたくさん吸う人ほど、糖尿病発症リスクが高くなっています。

Rimmらは米国の 114247 人の看護師を対象とした 12 年間のprospective study で,非喫煙者に対し25本以上の喫煙者は糖尿病発症の相対危険率が 1.37 倍に増加すると報告した.Williらは 25 編の糖尿病と喫煙に関する研究のメタアナリシスの結果,喫煙は糖尿病発症の相対危険度は 1.44 と報告している

出典:(PDF)「糖尿病患者の喫煙状況と禁煙指導の必要性に関する研究」糖尿病,54(10),2011 [PDF]

また、別の研究では、1日20本以上タバコを吸う方は、非喫煙者と比べて糖尿病の発症率が3〜4倍になるという報告もあります[1]。
加えて、喫煙は、動脈硬化やがんのリスクを高めます。糖尿病患者のがん治療や動脈硬化治療は、糖尿病の方と比べて難しい場合も多く、そうした意味でも喫煙は避けたほうがいいのです。

なぜタバコが糖尿病リスクを高めるのか

では、なぜタバコを吸うことが糖尿病リスクを高めているのでしょうか。喫煙による血糖値上昇作用です。これは、喫煙が交感神経を刺激することが原因と考えられています。またタバコを吸うことで、インスリンの働きが妨げられるのも、糖尿病になりやすくなる要因と考えられています[2]。

喫煙がインスリン抵抗性を高めてしまうメカニズムは、脂肪細胞から分泌されている善玉サイトカインと呼ばれる成分の減少が理由ではないかと考えられています。

最近では,この喫煙によるインスリン感受性低下の一因として,脂肪組織から分泌される善玉サイトカインであるアディポネクチンの減少が注目されています。 〜中略〜 脂肪組織において酸化ストレスが増加すると,アディポサイトカインの産生異常が生じて,アディポネクチンの低下や,悪玉サイトカインであるPA I-1(プラスミノーゲン活性化抑制因子-1)や TNF-α(腫瘍壊死因子-α)などの上昇が起こり,その結果,インスリン抵抗性を生じると考えられています4)。 喫煙は酸化ストレスを増大させることからこのメカニズムに関与すると思われます

出典:(PDF)「糖尿病の治療も予防も禁煙が大切です」大阪府立健康科学センター 中村編[PDF]

喫煙は本人だけの問題ではありません

「喫煙は吸っている本人の自己責任だからいいじゃないか」と喫煙を続ける方もいますが、実はタバコは吸っている際に周りにいる方にも害を与えています。

タバコの煙をそばで吸ってしまう受動喫煙は、肺がんリスクや心疾患リスクを高めます。日本で肺がんにより死亡する女性で受動喫煙が起因している死亡数は多く、アメリカの4倍とも言われています。

女性の肺がんにおける受動喫煙の人口寄与危険割合は,家庭での曝露が6.2%,職場での曝露が1.9%と推計された。家庭および職場での曝露が非就労者および就労者で互いに独立であると仮定すると,家庭および職場の受動喫煙の寄与は,それらの合計の8.1%となる。わが国の女性肺がん死亡における能動喫煙の人口寄与危険割合は20%と推計されているため,受動喫煙の寄与は能動喫煙の半分弱に相当すると推察される。

出典:(PDF)「わが国における受動喫煙起因死亡数の推計」第57巻第13号「厚生の指標」2010年11月 [PDF]

自分だけの問題ではない喫煙だからこそ、大切な周りの人の健康を守るためにも禁煙を始めましょう。

禁煙をするためには

中毒性もあるタバコ。習慣になっていれば、やめようという意思があってもなかなかやめられないと悩んでいる方もいるかもしれません。

そうした方は、身近にある禁煙外来でドクターのサポートのもとまずは本格的な禁煙にチャレンジしてみましょう。

タバコをやめると、香りや味にも敏感になり、より食事が美味しく食べられるようになります。また、タバコを吸うお金も節約できるため、より毎日が充実したものとなることでしょう。

タバコを吸っている害はありますが、やめる害はありません。糖尿病予防はもちろんですが、ご自身の健康を守るためにもぜひ禁煙を始めてみましょう。

禁煙と合わせて取り組みたい糖尿病予防

生活習慣も発症リスクに大きく関係してくる糖尿病。禁煙をすることはもちろんですが、併せて食生活の改善や、運動習慣をつけるなど毎日の暮らしを見直してみたいところです。糖尿病予防のために、発症リスクを低下させる栄養素などは様々な研究で少しずつ明らかになっています。食事メニューやサプリ選びなどの参考に、こうした予防に効果的な成分についてもぜひチェックしてみましょう。
当サイトでは、「酵素」や「サポニン」といった糖尿病改善の為に研究されている成分を多数紹介しています。ぜひ、糖尿病の予防・改善の為に、取り入れることをおススメします。

参考文献

[1]出典: (PDF) 「喫煙の空腹時血糖に及ぼす影響は肥満度により異なる」糖尿病,49(2),2006 [PDF]

[2]参考文献:上六ツ川内科クリニック「管理栄養士が教える!糖尿病の方でも血糖値に影響が出にくい間食、 8つのルール」

[3] 出典: (PDF) 「糖尿病の治療も予防も禁煙が大切です」大阪府立健康科学センター 中村編[PDF]

当サイトのご利用にあたって

当サイト(糖尿病の末路 初期症状から末期症状まで、危険な合併症の解説と改善・対策・予防ガイド)は、私たち「糖尿病を食から考える会」が運営する、糖尿病に関する情報をわかりやすくまとめたサイトです。当サイトには、できるかぎり最新の、信頼性の高い情報を掲載する心掛けております。ただし、その内容の正確性・安全性について完全に保証できるものではありません。掲載情報の活用については自己責任でお願いいたします。万が一、当サイトの情報によって何らかの損害が発生した場合には、各種専門機関にご相談ください。

糖尿病を食から考える会について