オクラの血糖値・糖尿病に対しての効果
オクラは6~8月が旬の食材ですが、スーパーでは年中並んでおり、手軽に入手可能な食材です。
オクラのネバネバは、ムチンやペクチンなどの水溶性食物繊維。食物繊維は脂質や糖を吸着して排出する働きがあるため、糖尿病の予防・改善への効果も期待できます。[1]
糖分は、胃で分解されてから小腸に届けられます。小腸に入ると、糖はすぐに絨毛で吸収されてしまいます。そのため、大量に糖分を取ってしまうと、血糖値が急上昇するおそれが。
ですが、食物繊維と一緒に摂ることで、食物繊維が糖に絡みつくため、小腸に届いてもすぐには吸収されなくなります。その後、絡まった食物繊維がほどけ、徐々に糖質が吸収されていくため、血糖値の急激な上昇を抑える働きがあります。[2]
まだラットによる実験段階ですが、オクラが食後の血糖値の急激な上昇を抑える働きがあると考えられています。
オクラを摂取する時に気をつけたいこと
血糖値を抑える働きをする水溶性食物繊維・ペクチンは熱で溶け出す性質があるので、オクラは1~2分、サッと茹でる程度に留めましょう。
ご飯にかけて食べるときは、アツアツよりも、少し冷ましたご飯にすると◎。茹で上がったあとは細かく刻むとネバネバが増え、より効率的に食物繊維を摂取できるのでおすすめです。
また、オクラはカリウムを多く含んでいるのが特徴。カリウムは、ナトリウムを排出してくれる手助けをする大事な成分。特に高血圧の方は積極的に摂取したい成分ですが、腎臓病を併発している場合は注意が必要です。
糖尿病性腎症が進行している場合は、カリウムを体外にうまく排出できないので、カリウム過多になってしまう可能性があります。カリウムは水に溶けやすいので、茹でたオクラを使いましょう。
おすすめのオクラレシピ
オクラを取り入れた食事をしたいけれど、「そのまま食べるだけだと飽きてしまう」「料理はあまり得意じゃない」という方は、以下のレシピを試してみてはいかがでしょうか。どれも手軽にできて、それぞれ違ったオクラの味を楽しめるレシピばかりです。
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レシピその1:オクラのポン酢あえ
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オクラ…1パック
ポン酢…大さじ1
かつお節…適量
<作り方>
1.オクラは塩をまぶして1本ずつこすってうぶ毛を取る
2.熱湯で軽くゆでて水に取り、小口切りにする
3.ゆでたオクラを器に盛り、ポン酢とかつお節を加えてあえれば完成
手軽にオクラを食べたいときにおすすめのポン酢あえです。オクラは茹でるときに、塩をまぶしてから全体をこするとキレイに産毛が取れ、口当たりが良くなります。
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レシピその2:オクラの豚肉ロール巻き
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豚ロース肉(薄切り)…6枚
オクラ…6本
小麦粉…適量
酒…大さじ1
サラダ油…小さじ2
(A)しょうが(絞り汁)1片分
しょうゆ…小さじ2
塩…少々
<作り方>
1.オクラのヘタとガクを取り、塩を少々まぶして板ずりして産毛を取る。サッと洗って軽く茹、水に取る
2.豚肉は、(A)のしょうが・しょうゆ・塩で下味をつける
3.まな板に(2)を広げて薄く小麦粉をふり、(1)を1本ずつ乗せてから巻く
4.フライパンにサラダ油を引いて熱し、(3)の巻き終わりが下にくるように並べる。焼き色が付いたら裏返し、全体に焼き色がつくまで焼く
5.酒を振り、蓋をして2分程度蒸したら器に盛って完成
オクラのガクを取る時には、ヘタと実の間に包丁の刃を入れ、ガクを剥くように取ります。ガクをむくことで、ヘタに近い頭の部分もおいしくいただけます。
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レシピその3:カツオとネバネバ野菜の漬け丼
- <材料2人分>
カツオ…150g
しょうゆ…大さじ3
長いも…60g
オクラ…3本
ご飯…400g
刻みのり…適量
ごま…お好みで
<作り方>
1.カツオを1cm角に切り、しょうゆに漬けて5分ほど置く
2.長いもを1cm角に切る
3.オクラをゆでて1cmほどの大きさに切る
4.丼にご飯を盛りつけ、カツオ・長いも・オクラを載せて、カツオの漬け汁をかける。刻みのりをちらし、お好みでごまをかける
オクラと山いものネバネバが味わえる、ネバネバ好きにはたまらない一品。どれも切って載せるだけの簡単なレシピです。お好みでごまをかけると風味がプラスされて美味しくなります。
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まとめ
糖尿病は、疫学データによると、2030年までに世界人口の4.4%は糖尿病になるだろうという可能性も示唆されています。これはインドの統計分析で明らかになった数値ですが、日本でも年々、糖尿病患者は増加の一途をたどっています。
オクラは、まだ動物実験の段階ではありますが、血糖値の上昇を緩やかにし、インスリンの値を調整する「ペクチン」が含まれていることが分かっています。ぜひ日頃の食事に取り入れて、糖尿病の予防や改善に役立ててくださいね。
糖尿病予防のためにも日頃の食生活にオクラを上手に取り入れよう

オクラは、一年中手に入るうえ、いろいろな料理に混ぜても美味しいので、取り入れやすい食材です。ネバネバが苦手な方は、お味噌汁やお吸い物にしていただくのも良いでしょう。他のネバネバ成分である納豆や山いもとの相性もバツグンなので、組み合わせることでよりおいしくいただけます。
もちろん、オクラだけで糖尿病予防・改善ができるわけではありません。オクラ以外の食材も偏りなく摂取したいところです。
こちらでは、糖尿病予備軍の方にこそ知ってほしい栄養学の基礎や、食事で気を付けたいポイント、糖尿病改善に役立つ成分についてまとめています。ぜひ気になる項目をチェックしてみてくださいね。
参考文献
[1]参考文献: 厚生労働省:食物繊維(しょくもつせんい)
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