高齢者が糖尿病予備軍になったら気をつけたいポイントとは

高齢者が糖尿病予備軍になったら気をつけたいポイントとは

高齢者が糖尿病予備軍になったら気をつけたいポイントとは

世界の糖尿病予備軍の数は増加しており、国際糖尿病連合によると2025年には糖尿病患者が3億8000万人に至るといわれています。 日本は、人口の多い中国と比較すると糖尿病の患者総数自体は少ないものの、増加率は同じくらいです。

中でも、高齢者の糖尿病予備軍の数が増加していることをご存知でしょうか? なぜ、高齢者の糖尿病予備軍の数が増加しているのか。 高齢者の糖尿病予備群の増加している原因と、恒例になって発症した糖尿病についてご紹介していきます。

加齢は2型糖尿病の危険因子

糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンの不足や機能低下により血糖値が高くなって発症する病気です。糖尿病の種類は4種類あり、そのうちの1つである 2型糖尿病に高齢者の方が発症しやすいといわれています。

2型糖尿病は、生活習慣の不摂生の影響が大きいと考えられがちですが、 実は加齢もまた発症要因の1つなのです。ただし、加齢で発症する2型糖尿病は軽い症状で済む場合が多いので、早期発見すれば重症に至ることはまずないでしょう。

加齢による2型糖尿病の発症について

基本的に、2型糖尿病の発症しやすい人は、前提として糖尿病になる遺伝子を持っており、インスリンが不足していたり、 インスリンの分泌機能を低下させたりする生活を送っている人です。どんな生活かというと、肥満になる習慣(運動不足、過食)、ストレスなどが当てはまります。

ですが、加齢が原因で2型糖尿病になる場合は、膵臓の老化が要因です。膵臓の老化は、インスリンの分泌機能を低下させるからです。 よって、血糖値を十分に調節することができずに高血糖状態になっていきます。さらには身体の中で最も糖を必要とする骨格筋も少なくなり、 自ずと糖の消費量が減っていき終いには骨格筋の細胞内に脂肪が溜まっていくのです。

内臓脂肪にも脂肪が蓄積していき、さらにインスリンの働きを低下させてしまう負のスパイラルが起きてしまうのです。 こうしてインスリン分泌機能の低下の負のスパイラルと病気の治療に対する消極的な姿勢が相まって、高齢者の糖尿病患者の数が増えているのです。

高齢になってから発症する糖尿病は回復の余地あり

2型糖尿病は、加齢および生活習慣が影響していると説明してきました。つまり、生活の積み重ねが表立ちやすい中高年以降に発症しやすいです。 年齢を重ねれば重ねるほど、2型糖尿病の発症可能性は高くなり、70代、80代になってから発症するという人も中にはいます。70代以降に発症するのは 、若い頃に2型糖尿病が発症することとは異なり、生活習慣が酷くはなかったということ。

発症してこなかったことは誇りに思うべきで、少しの生活習慣の 改善で回復する可能性が高く、医師から2型糖尿病を発症させてこなかった生活習慣を大幅に修正改善提案されることも少ないです。

糖尿病予備軍のうちから心がけたい高齢者のための食事療法

食事療法で大切なことはさまざまありますが、高齢者の方が大切にすべきことは 必要なエネルギー量を過不足なく摂取することです。 エネルギーの過不足が起きてしまうと、糖尿病の進行が進んでしまう可能性が高まるからです。 厚生労働省の食事摂取基準量によると、性別、年齢、身体活動レベルから 基準となる推定エネルギー必要量(kcal/日)は設定されています。

身体活動レベルとは、1日あたりの総エネルギー消費量を1日あたりの基礎代謝量で割った指標です。

  • 身体活動レベル1
    生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合
  • 身体活動レベル2
    座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合
  • 身体活動レベル3
    移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合
[1]

日本人の食事摂取基準を50歳以上の男女を抜粋した推定エネルギー必要量が以下になります。

50-69歳男性<身体活動レベル1>

2100kcal/日

50-69歳男性<身体活動レベル2>

2450kcal/日

50-69歳男性<身体活動レベル3>

2800kcal/日

50-69歳女性<身体活動レベル1>

1650kcal/日

50-69歳女性<身体活動レベル2>

1950kcal/日

50-69歳女性<身体活動レベル3>

2200kcal/日

70歳以上男性<身体活動レベル1>

1850kcal/日

70歳以上男性<身体活動レベル2>

2200kcal/日

70歳以上男性<身体活動レベル3>

2500kcal/日

70歳以上女性<身体活動レベル1>

1450kcal/日

70歳以上女性<身体活動レベル2>

1700kcal/日

70歳以上女性<身体活動レベル3>

2000kcal/日

上記の通り、目安となる数値を掲載しましたが、あくまでも目安にすぎません。 活動量も日によって変わるでしょうし、体格も個人差があるからです。 老化の進行度合いも人によって変わりますので、エネルギー消費量もさまざまですので、 担当医に判断を仰いでもらうのがいいでしょう。

高齢者の食事療法を成功させるポイント

高齢になってから食事制限を受けることは、辛く厳しく挫折してしまう可能性があります。 無理なく楽しく食事をしていくために、食事療法を成功するためのポイントを意識していきましょう。

主食・主菜・副菜をバランスよく

栄養バランスを取るためには、日本の伝統的な食事を意識し、おかず中心に食べていくのが重要です。

炭水化物はいも類からも摂取

いも類は炭水化物を摂取できるほか、食物繊維、ビタミン、ミネラルも摂取できます。 しかし、他の炭水化物、主食(ご飯やパン、麺類など)と一緒に食べてしまうと糖質過多になってしまう 恐れがあるので注意しましょう。

生野菜は両手のひらいっぱい、温野菜はこぶしいっぱい

ビタミン、ミネラル、食物繊維を十分に摂取するには、生野菜でしたら両手のひらいっぱい。 温野菜でしたら、こぶしいっぱいくらいが個々人の目安量になります。

胃腸が弱かったら、野菜や果物はジュースにしたりすりおろしたりするのがおすすめ

生野菜や果物は酵素を多く含んでいるので、消化や代謝を促す効果を期待できます。 ですが、胃腸が弱かったり、歯が悪かったりする場合はすりおろしたり、ジュースにしたりして 摂取していくのがおすすめです。

飲み込む力が弱かったら、野菜ジュースをゼリーに

ひと手間かかりますが、飲み込む力が弱い人には野菜をジュースにして ゼラチンで固めてあげるのがいいでしょう。飲み込みやすくなる上、 ゼリーにした方が食べる喜びも出てくるので、一石二鳥です。

果物は1日1回

果物は糖分が多く、食べ過ぎに注意が必要です。食品交換表の1単位相当を目安に 量を調整し、エネルギーのとりすぎないように努めましょう。

夕食は軽めに、就寝3時間前には食事を済ます

就寝前のエネルギーは消費されづらく脂肪として蓄積されやすいので注意しましょう。 ですので、就寝する3時間前には食事を済ませておくのが吉です。

高齢者の1人暮らし世帯で気を付けたいポイント

無理しないこと 

とにかく食事療法や運動療法を無理するのは禁物。高齢になるほど食習慣を変更・改善していくのは難しいものです。定期的に担当医に診断を受け、食事やカロリーのコントロールを相談しながら決めていくのがいいでしょう。

選択肢として宅配食の利用もあり

最近では、糖尿病の人向けにカロリー計算されたお弁当を配達してくれる通販があります。料理ができなかったり、調味料の配分がわからなかったりする場合は宅配食も視野に入れておくといいでしょう。中には割高に感じる人もいるかもしれませんので、まずはお試しで利用してみることをおすすめしあmす。

外食したら腹八分目に抑える

外食先も場所によっては、栄養バランスがとれた食事ができます。ですが、出された量をそのまま食べてしまうのは、食べすぎにつながる場合もあります。自分の1日の消費エネルギーのことを考え、腹八分目に抑えることも時には必要です。

基本的に、食事するときは素材が分かるものを食べる

外食で調理工程で混ぜたり、こねたりしているものは基本NGです。素材が見て分かるものを食べるのがエネルギー換算もしやすいので、可能な限り焼き物や煮物を食べるようにするのがいいでしょう。

食事記録をとる

短期間だけでもいいので、何時にどんな食事をしたかを記録していきましょう。 食事の改善点が何か見えてきますので、発見した点を担当医や栄養士に見せてアドバイスを受けるのがいいでしょう。

まとめ

高齢者は加齢によって膵臓のインスリン機能の働きが衰えるため、糖尿病予備軍および糖尿病に罹患しやすい状態です。糖尿病に罹患してしまうと、合併症の併発可能性も出てきます。既に糖尿病に罹患してしまっているのであれば、 今の症状よりも悪化させないように毎日の生活習慣に注意を払っていきましょう。

参考文献

[1]参考文献: 「日本医師会」

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