糖尿病による、頻尿・多尿の原因

【医師監修】尿が多くなる頻尿・多尿の原因は糖尿病?!

Supervision尿の量が多いのは糖尿病のサインかも

監修医師

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上野内科・糖尿病内科クリニック
院長

上野 尚彦先生

尿の量が増える・トイレが近くなるといった症状は、糖尿病の初期症状のひとつ。なぜ糖尿病で多尿・頻尿になるのか、症状が進行すると最終的にどうなるのかについて解説していますので、ぜひチェックしてみてください。

糖尿病による多尿・頻尿はなぜ起きる?

症状

多尿・頻尿は、糖尿病の症状の一種でもあります。今まで行っていたトイレの回数から明らかに回数が増えた、尿の量が異常に多くなったと感じることがあれば、糖尿病になりかけの状態・もしくは初期段階かもしれません。

原因

糖尿病になると、血液の中のブドウ糖量が増えて、血糖値が170mg/dl以上になると、尿中にブドウ糖が漏れ出るようになります。この時体の水分も糖と一緒に出ていくので脱水となり、異常にのどが渇くようになります。その結果、摂取する水分の量が増加するのです。

のどの渇きを感じて水分をどんどん摂ると、体が水分を吸収しきれず、尿として排出するようになります。これにより多尿になりますが、膀胱に貯めておける量は変わりませんので、結果、頻尿になります。

また、糖尿病が進行すると神経にも障害がおよび、排尿をうまくコントロールできなくなります。これにより、頻尿や残尿感などの症状が起こることもあります。

末路

のどの渇きによる多飲、その結果である頻尿・多尿が見られる場合、糖尿病に罹患している可能性があります。 たかが多尿・頻尿とあなどってはいけません。糖尿病の怖さは、裏で着々と進行している合併症にあるのです。明確な症状があるにも関わらず、治療をせずにいると、最終的には合併症による失明・壊疽による四肢切断・人工透析などが待っています。

尿が多いというのは、まだ糖尿病では初期の段階です。ここでしっかり対処できれば、恐ろしい合併症を防ぐことも十分に可能となります。

対策

尿の量が多い・トイレの回数が多い場合、「水分の量を減らせばいいのでは?」と思いがちですが、これは大きな間違い。水分の量を極端に減らしてしまうのは、糖尿病にとって非常に危険な行為なのです。

糖尿病の場合、水分摂取量の目安は1日あたり1,500~2,000ml。一気に大量を飲むのではなく、コップ1杯くらいの量を、食事や食間などでこまめに摂取するようにします。
飲むものは、水・麦茶などが基本。糖分を含んだ清涼飲料水・果汁飲料・スポーツドリンクなどは避けるようにしましょう。こういった飲料を日常的に飲むと、血糖値が上がって余計にのどが渇きやすくなります。

水分の摂取は季節を問わず重要となるため、正しい量とタイミングを守って摂取するよう心がけましょう。

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上野内科・糖尿病内科クリニック
院長

上野尚彦先生

糖尿病と尿のメカニズム

糖尿病にかかり、高血糖(170mg/dL~)状態になると、尿にブドウ糖が溢れ出し、尿糖が高い数値を示すようになります。

ただし尿糖が高いだけでは糖尿病とは判定できず、腎臓に異常をきたして糖が検出される「腎性尿糖」と呼ばれる症状の可能性もあるため、基本的に糖尿病は血糖値やHbA1cの値を見て判断されます。

尿糖が陽性、かつ血糖値やHbA1c値も陽性である場合は、糖尿病の疑いがあるとされ、症状の進行度に応じて治療を行う必要が出てきます。

血液検査のうち、空腹時血糖値が126mg/dL以上で、ヘモグロビンA1cが6.5%以上であると糖尿病と診断されますが、170mg/dLを超える高血糖状態にならなければ、尿糖は陽性にはなりません。

尿の量、色、においのセルフチェック

高血糖状態が続くと、血液中の糖が尿に溢れ出すため、尿の臭いから甘い香りが漂うようになります。香りの種類はさまざまで、甘ったるい香りもあれば、お菓子や果物のような香りがすることもあります。セルフチェックで何らかの甘い香りを感じたら、すぐに専門医を受診するようにしましょう。

臭いと同時に、尿の色についても注意深く見ていく必要があります。尿が常時濃い色をしている場合は、不純物が混ざっている証拠であり、尿糖のように糖が漏れだしている可能性もあります。淡黄色(麦わらのような色)が通常の尿の色ですが、糖尿病の患者さんの場合、水分を摂取して尿量が多くなると、無色に近い色合いになります。

喉の渇きと同時にたくさんの水分を摂った後は、尿の色が透明に近くなっていますので、糖尿病かどうかがチェックできます。

また、尿が泡立つと糖尿病ではないかという話がありますが、泡立つだけの状態であればそれは正常に近く、泡立ったまましばらく残っている場合には、尿が何らかのトラブルを示している可能性があります。尿糖や尿たんぱくなどが出ていれば、病気の兆候が隠れていることもあります。泡立ちの状態を見て、いつまでも泡が消えない場合には一度専門医を受診し、尿検査や血液検査を行うことをおすすめします。

糖尿病は総合的な判断も必要

尿の状態は体の健康を把握するための大切な指標となりますが、尿だけを見てすぐに糖尿病と判断することはできません。血糖値やHbA1cの数値、口渇などの症状の有無、肥満度や既往症の有無、総合的にチェックを行って糖尿病を確定し、進行度を判断します。普段から尿チェックをこまめに行い、必要に応じて専門医を受診するようにしましょう。

参考文献

厚生労働省 e-ヘルスネット 糖尿病(とうにょうびょう)

TERUMO 健康ガイド 家庭での尿チェックのすすめ

栄研化学 おしっこチェックで健康管理

株式会社ヤクルト ヘルシスト 「おしっこ元気ですか?」 検尿で病気予防と健康維持

多尿・頻尿の改善には血糖値コントロールが必須

尿の量が多い・尿の回数が多いといった症状は、血糖値のコントロール異常が原因となっています。つまり、血糖値をうまく調節できるようになれば、症状の改善につながるというわけです。

血糖値コントロールに必要なのは、血糖値を急上昇させない食生活と、適度な運動。食生活はカロリーの摂りすぎに気をつけつつ、栄養バランスのとれた食事をすることが大切です。体に必要な栄養をしっかりと補給できれば、臓器の機能も正常化。血糖値を司るインスリンも、適切に機能できるようになります。

栄養バランスは食事で整えるのが一番ですが、どうしても不足してしまう栄養素が出てきます。糖尿病改善の研究をされている成分の入ったサプリメントを上手に活用し、補完していくと良いでしょう。

注意点① 血糖値の上がり方は人によって違う

血糖値コントロールを行う上での注意点があります。 それは、同じ食べ物を摂取しても血糖値の上がり方は人それぞれで違うこと。食べ物ごとのGI値を気にすることももちろん大切ですが、自分の血糖値の上がり方を知ることが血糖値コントロールの最重要課題です。

血糖値の上がり方に個人差があることを発表したのは、イスラエルのワイツマン化学研究所。 研究所で行われた検証は、高血糖や肥満ぎみの人約800人を対象として食後の血糖値の上昇を見ていくものでした。対象者の身体測定や血液検査、便検査を行って事前のデータを細かく取り、スマートフォンアプリを使って食事の内容を写真付きで記録・報告することで、食後の血糖値の上がり下がりを追っていきます。

結果、血糖値の上昇は人によって異なるということが発覚。人によっては低カロリーで血糖値が上がりにくいトマトでも血糖値が急上昇したようです。これまでは、血糖値が上がるかどうかは食べ物それぞれのGI値で判断してきました。

「精製されたお米は分解されやすいので血糖値がすぐに上がる」

「玄米や加工されていない食材は分解しにくいので血糖値が上がりにくい」

と、食べ物自体が分解されやすいかや糖質の多さで、血糖値が上がるかどうかを考えていましたが、検証の結果、GI値に関係なく個人差で血糖値が上がることもあるということです。GI値にさえ気を付けていれば血糖値コントロールができると考えていた人にとっては大きな衝撃でした。

血糖値の上昇に個人差が出る理由としては、「腸内細菌の差」が有力です。 人間の腸には100兆個以上のも細菌が存在し、入ってきた食べ物を分解して栄養を吸収してくれます。腸内細菌の数や種類が人によって異なるため、糖質の分解・吸収スピードが変わって個人差として出る。そう考えられています。
裏付けるかのように、順天堂大学の検証によると2型糖尿病患者の腸内は乱れていることが明らかになりました。腸内細菌がかたまっているところを「腸内フローラ」というのですが、その腸内フローラを構成している菌のバランスが糖尿病患者と糖尿病を発症していない人で異なっています。スウェーデンのヨーテボリ大学での研究でも、血糖値コントロールが出来ていない人は腸内フローラに善玉菌が少ないと研究結果が出ました。

もし、GI値を元に血糖値が上がらないようコントロールしても調子が良くならない場合は、この腸内フローラが関係しているかもしれません。腸内フローラの環境を改善するには、善玉菌である乳酸菌や腸内環境を整える酵素を摂ることが望ましいです。血糖値コントロールの一環として、それぞれ取り入れてみると良いでしょう。

注意点② 塩分の摂りすぎが頻尿の原因かも

頻尿で困っている人は血糖値コントロールができていないことが疑われますが、同時に塩分摂取量にも着目してください。 長崎大学病院の研究結果によると、塩分摂取の多さに比例して排尿回数・量も増えると分かりました。 700名以上の塩分摂取量を調べて平均7.3gの塩分を摂取するチームと平均11.4gのチームに分け、それぞれの排尿回数・量を比較。すると、平均11.4gのチームは、昼間・夜間に関わらず排尿量や回数が多かったのです。 さらに、塩分摂取量が多く頻尿で眠れないという人に3ヵ月塩分量を減らす検証を行った結果、これまで夜中に2回の排尿をしていた人が1回に改善されました。昼間のトイレの回数も少なくなり、睡眠の質や生活リズムが改善されたと検証結果が出ています。

頻尿で困っている人は血糖値コントロールができていないことが疑われますが、同時に塩分摂取量にも着目してください。 長崎大学病院の研究結果によると、塩分摂取の多さに比例して排尿回数・量も増えると分かりました。 700名以上の塩分摂取量を調べて平均7.3gの塩分を摂取するチームと平均11.4gのチームに分け、それぞれの排尿回数・量を比較。すると、平均11.4gのチームは、昼間・夜間に関わらず排尿量や回数が多かったのです。 さらに、塩分摂取量が多く頻尿で眠れないという人に3ヵ月塩分量を減らす検証を行った結果、これまで夜中に2回の排尿をしていた人が1回に改善されました。昼間のトイレの回数も少なくなり、睡眠の質や生活リズムが改善されたと検証結果が出ています。

なぜ塩分過多が頻尿につながるかというと、塩分を摂りすぎると血液中の塩分を薄めるために血液量を増量しようとするためです。血液を増やそうとするとのどが渇き、水分を過剰に摂取してしまいます。結果、余った水分が尿に変換されるのです。

塩分過多な生活は頻尿だけでなく高血圧も呼びよせます。血液量が増えると単純に流れる血の量が増えるため、血管内が圧迫された状態に。すると負荷がかかった血管は徐々に硬くなり、血液が流れにくくなります。血流が悪くなると血の塊(血栓)ができて、血管を詰まらせてしまう可能性も。血管が詰まる場所によっては急性心筋梗塞や脳梗塞などを起こし、命に関わります。

高血圧は高血糖と同じくらい恐ろしい症状です。糖尿病の人は血圧が高くなりやすく糖尿病患者の40~60%が高血圧を併せ持っていると言われているので、普段から塩分摂取量と血糖値を気にする癖をつけておきましょう。

「血糖値だけでも大変なのに血圧もなんて…」と気にする数値が増えるのは気が重くなるかもしれません。ただ、頻尿改善は血糖値と血圧を気にする良いきっかけです。いずれはどちらにもなるかもしれないので、気づかずに悪化する前に少しずつ改善に取り組んでいきましょう。

けれども、いきなり食事を変えるのは大変なもの。糖質や塩分を気にして食べないものばかりになると、 どうしても不足してしまう栄養素が出てきます。糖尿病改善の研究をされている成分の入ったサプリメントを上手に活用し、補完していくと良いでしょう。

糖尿病の症状改善に研究されている成分はコチラ

糖尿病は、血液中のヘモグロビンA1c と血糖値が継続して高くなる病気。つまり、糖尿病の治療は、この2 つの数値をいかに下げるかにポイント。

現在、ヘモグロビンA1c と血糖値を下げる効果があるとされる成分や糖尿病の症状改善に研究されている成分があります。糖尿病の改善に有効とされる成分を栄養バランスに加えて、取り入れることをオススメします。

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