糖尿病による体重減少や体重増加の理由

【医師監修】体重の減少・増加は、糖尿病の初期症状かも

Supervision体重の減少・増加は糖尿病のサインかも

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上野内科・糖尿病内科クリニック
院長

上野 尚彦先生

糖尿病になると、体重が減ったり・増えたりするという現象が起きます。なぜこのような状態になるのか、その仕組みと対処法について詳しくまとめてみました。

糖尿病による体重減少・増加はなぜ起きる?

  • 症状

    体重増加は、糖尿病発症のサインである可能性があります。この状態を放置し、症状が悪化していくと、今度は体重が減っていくのが大きな特徴です。どんなに食べても体重が減るという場合は、糖尿病を疑った方が良いでしょう。
  • 原因

    糖尿病の初期、もしくは糖尿病予備軍になると、細胞がブドウ糖をうまく吸収できなくなってきます。すると、体は栄養をもっと欲しがり、食欲が旺盛になっていきます。
    この食欲に合わせて食事を続けると、必要以上の脂肪を蓄えてしまい、体重が増加し・肥満傾向になってしまいます。のどの渇きなど別の症状も見られる場合は、糖尿病初期の可能性が高いため、一度検査を受けた方が良いでしょう。
    この段階の糖尿病が発覚した場合は、運動習慣や食生活の改善などで、十分に病気の進行を食い止めることができます。対処は早ければ早いほど効果が出やすいため、「まだ大丈夫だろう」などと油断しないことが大切です。
  • 末路

    糖尿病の初期では、体重が増加する傾向があるとお知らせしましたが、症状が進行すると、逆に今度は体重減少が始まります。
    生活習慣が大きく変わったわけでもないのに、半年で体重が5%減少した場合は、糖尿病に罹患している可能性が高いと言えます。
    ブドウ糖をうまく取り込めない状態が続くと、体の器官や組織自体が栄養不足に陥ります。すると、器官や組織にも異常が発生し、やっと取りこめた栄養も吸収できずに排出してしまう…という悪循環が起こってきます。
    こうなると、いくら食べても飲んでも体が栄養を取り込めないため、体重も減ってくるというわけです。
    体重が減少するほどの糖尿病は、かなりの重症。1型糖尿病の場合は糖尿病性ケトアシドーシス、2型糖尿病の場合は高血糖性高浸透圧状態を起こすこともあり、最悪の場合死亡する可能性があります。
  • 対策

    症状の改善を図る場合、体重の減少が起こる前に、食事療法・運動療法を進めていくことが重要となります。
    高血糖が続くとインスリンの働きが鈍くなりやすいため、正常な機能を保てるよう、できるだけすい臓に負担をかけないようにします。ここで必要になるのが食事療法です。
    食事療法では、血糖値を急上昇させやすいお菓子やソフトドリンクなどの甘いものを控え、炭水化物を取り過ぎずバランスよく摂取するのが基本。食物繊維が豊富な食材を先に食べ、血糖値を上げにくい状態にするのも有効です。味付けも、食欲を増進させる濃いものは避けるようにします。
    食事によって血糖値を適切にコントロールできれば、すい臓の負担を大幅に軽減でき、症状が徐々に改善。体重の増加、ならびに減少を防ぐことにつながります。
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上野内科・糖尿病内科クリニック
院長

上野尚彦先生


体重を増やさないための方法

体重が5kg増えると糖尿病のリスクは30%上昇すると言われています。20代の頃と比べて体重が増えている方は要注意です。体重が増加しているなら糖尿病の初期段階のため、改善するならイマ。生活習慣や食事内容を見直して体重を減らして糖尿病を予防しましょう。

  • 精製されていない食品を摂取する

    白米やパンの代わりに、全粒穀物や玄米といった精製されていない穀物を摂取するようにしましょう。白米やパンは体に吸収されやすいように加工されています。つまり、体の中に入るとすぐに分解されてブドウ糖に変わるため、血糖値を急激に上昇させてしまうのです。加工されていない全粒穀物ならゆっくりと体に消化されるため、血糖値もゆるやかに上げてくれます。
    他にも、野菜・果物・ナッツ類・ヨーグルトといった食材そのものも、吸収がゆるやかなのでおすすめです。
  • グリセミック指数(GI)の低い食品を選ぶ

    血糖値が上がりやすさを表すグリセミック指数(GI値)。食材を選ぶ時はこのGI値に注目して選ぶと良いでしょう。
    GI値はブドウ糖そのものを摂取した時を100としており、ブドウ糖との相対比較で他の食品のGI値が決められています。例えば、白米はGI値84、食パンは91とされており、極めてGI値が高い食材と分かります。推奨されている低GI食品のGI値は55以下。56~69は中GI食品、70以上が高GI食品と分けられています。 GI値が食品そのものに記載されていることはほとんどないため、実際に選ぶ時はネットで紹介されているGIの一覧表を見るか、覚えている炭水化物を見るようにしましょう。
  • 低脂肪食品に注意

    体重を増やさないために食事に気を遣って「低脂肪食品」を選ぶことがあるかもしれません。けれど、低脂肪は脂肪分を少なくしただけであって、逆に糖質やカロリーは高いこともあるのです。実は、脂肪が入っていないぶん味が落ちるため、味を調整するために糖質が多く含まれている可能性があります。 低脂肪食品に変えたからと言って痩せるわけではないので要注意です。低脂肪と書かれていても、カロリーチェックをするようにしましょう。
  • ファーストフードを食べすぎない

    いまや常識と言えますが、ファーストフードやコンビニ食だけだと栄養価が偏り太りやすくなります。ファーストフードは基本的に野菜や果物を使っているメニューが少なく、手軽にお腹を膨らませられる食材ばかり。味付けも濃くて健康的に良いモノではありません。GI値も高く血糖値が上がりやすいので、できるだけ避けるようにしましょう。

痩せ型のための食事療法

糖尿病は肥満体質の人だけが発病するわけではありません。症状が進行すると痩せていく傾向にあるので、見た目はスリムで健康そうな人も、実は糖尿病を患っていることもあります。
痩せ型であっても血糖値が高いことに変わりはありません。なので、食事をする際には糖質には気を付けたいところですが、体重が落ちるのも抑えたいところ。体重を落とし過ぎずに食事で徐々に体質を変えていくためにも、食事で気を付ける点を見てみましょう。

自分の適正な摂取カロリーを守る

糖尿病の食事の基本は、適正なカロリー計算を始めること。適正な摂取カロリーは以下の計算式で出すことができます。

身長(m)×身長(m)×22(BMI)=標準体重
標準体重×生活強度=1日の摂取カロリー

生活強度(kcal)とは…運動や活動によって平均的なエネルギー消費量がどのくらいかをはかる指標で、デスクワーク中心の職業 25~30、立ち仕事 30~35、力仕事 35以上とされています。

以上の計算式を元に自身の適正なカロリーに合わせた食生活を送れば、血糖値に気を遣った食事ができていることになります。

  • 自分の適正な摂取カロリーを守る

    糖尿病の食事の基本は、適正なカロリー計算を始めること。適正な摂取カロリーは以下の計算式で出すことができます。
  • 偏食や小食を見直す

    痩せ型の糖尿病患者の人に多いのが、食べるものが偏っている偏食か小食です。 偏食は食べるものが偏っている分、摂取できる栄養素も偏ります。食べるものが脂質や糖質の多いお菓子やパンだったりすると、糖質はオーバーしやすくなります。小食の場合も栄養が偏ってしまう可能性が高いため、一日に摂取する食事を小分けに分けて、野菜や主食、肉や魚をバランスよく摂取するようにしましょう。
  • 間食にはチーズやナッツ

    おやつを食べるのであれば、糖質の少ないチーズ・ナッツ類にしましょう。ナッツ類の糖質は10gあたり0.5g~1gとお菓子と比べてかなり低いです。チーズの糖質も10gあたり0.1~0.2程度。どうしてもお腹がすいた時は、ナッツ類やチーズ類を用意しておくとベストです。
  • とにかくよく噛む

    よく噛まず早く食べると、インスリンの分泌が間に合わず急激に血糖値が上がります。ゆっくり噛んで食べることで、食べ物の糖が血液中に流れるまでにインスリンを分泌させておきましょう。1口30回以上噛むのが理想です。

糖質を抑えつつ、栄養バランスを整えることが重要

糖尿病による体重の増減を防ぐには、糖質を抑えつつ、栄養バランスの整った食事を心がけることが大切。炭水化物の量を減らすのはもちろんですが、食事全体の栄養バランスが整っていないと効果が出にくくなってしまうため、常に気を配るようにしましょう。

しかし、仕事などで毎日忙しく過ごす世代にとって、毎日キッチリ栄養バランスのとれた食事を続けるのは難しいもの。そこで上手に利用してもらいたいのが、必要な栄養素を手軽に補給できるサプリメントです。毎日の食事にサプリをプラスして栄養バランスを整え、食事の量や食べ方を気をつけましょう。

糖尿病の症状改善に研究されている成分はコチラ

糖尿病は、血液中のヘモグロビンA1c と血糖値が継続して高くなる病気。つまり、糖尿病の治療は、この2 つの数値をいかに下げるかにポイント。

現在、ヘモグロビンA1c と血糖値を下げる効果があるとされる成分や糖尿病の症状改善に研究されている成分があります。糖尿病の改善に有効とされる成分を栄養バランスに加えて、取り入れることをオススメします。

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